CREA 2025春号「韓国のすべてが知りたくて。」では、「韓国カルチャーの最前線 7人の証言」として現地取材を敢行。ドラマ、映画、ウェブトゥーン、文学、K-POPと各ジャンルにおけるキーパーソンたちの独占インタビューを10ページにわたり特集しています。

#1 スタジオドラゴンという奇跡
スタジオドラゴン コンテンツ事業統括 ユ・ボンヨルさん
#2 tvN過去最高視聴率を記録『涙の女王』ヒットの裏側
『涙の女王』チーフプロデューサー イ・へヨンさん
#3 あのドラマの脚本家は“ウェブトゥーンの父”
ウェブトゥーン作家・脚本家 カン・フルさん
#4 カンヌ主演女優賞チョン・ドヨンが考える「韓国映画のこれから」
俳優 チョン・ドヨンさん
#5 ハン・ガンの担当編集者に聞く「ノーベル文学賞は奇跡だったか」
編集者 カン・ユンジョンさん
#6 翻訳というカルチャー戦略
韓国文学翻訳院 翻訳出版チーム長 パク・ジウォンさん
#7 ポップアイコンをヘアスタイルでつくる
ヘアスタイリスト パク・ネジュさん

CREA 2025年春号

『韓国のすべてが知りたくて。』

定価980円


 2024年に大きな話題を呼んだ韓国ドラマ『涙の女王』をヒットに導いたチーフプロデューサーであるイ・へヨンさんのインタビュー完全版をお届けします。

『涙の女王』はどのように企画されたのか

――『涙の女王』はどのような経緯で企画されたのでしょうか。

 『涙の女王』はもともと脚本家のパク・ジウンさんが『僕の妻はスーパーウーマン(原題:内助の女王)』(2009)、『逆転の女王』(10)に続く「女王」シリーズの第3弾として構想していた作品です。前2作は「自分の人生を男に委ねず、むしろ男を守りさえする」新しいヒロイン像を描いて大ヒットしたのですが、『涙の女王』では10年以上経った今の時代に合わせて再構成しました。

 私自身、パク・ジウンさんの作品を楽しく拝見していたので、いつかぜひ一緒に仕事をしてみたいと思っていた脚本家でした。『涙の女王』でご一緒することになり、チーフプロデューサーとして、脚本家が描こうとしたことを映像として具現化できるよう、作品全体を通してパク・ジウンさんとも意見を交わしながら制作を進めました。

――ペク・ヒョヌ役を演じたキム・スヒョンさんはデビュー当初から絶大な人気を集め、今回の作品で「第3の全盛期を迎えた」と評価されました。同じく、ビジュアルと演技力を備えたホン・へイン役のキム・ジウォンさんも、アジア各国でファンミーティングが開かれるほどのトップ俳優となりました。 二人の俳優をキャスティングした理由を教えてください。

 脚本の執筆段階から、ペク・ヒョヌ役は“ロコ(ロマンティックコメディ)職人”でもあるキム・スヒョンさんが最適だと考えていました。

 一方で、財閥3世で裕福でありながら、果てしない寂しさを抱え、それでいて愛らしさも持ち合わせたホン・へイン役には誰が適しているのか……。多くの議論を重ねた結果、脚本家、監督、制作チームの満場一致によりキム・ジウォンさんにお願いしました。

 この二人なら、男女が逆転した逆クリシェな関係も違和感なく表現してくれると信じていましたし、“感情演技”はもちろんのこと、ビジュアルカップルとしても大きな期待を寄せていました。

2025.03.07(金)
文=CREA編集部

CREA 2025年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

韓国のすべてが知りたくて。

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韓国のすべてが知りたくて。

定価980円