乳がん検診は家族歴を基準に

 女性特有のがんでもっとも罹患率の高い乳がん。若い世代でも乳がんを発症する人はいるが、厚生労働省が推奨するように、検診を受けるのは40代以降でいいのだろうか。

●女性特有のがん罹患率推移(人口10万人あたりの診断数)

マンモグラフィを受けるのは、死亡率が下がるというエビデンスがある40代以降でいいと思います。例外として40代未満で検査をしたほうがいいのは、母親や姉妹が乳がんや卵巣がんに罹患した家族歴のある方で、35歳前後から検診を受けておくと安心かと思います。

 もし、家族歴で若くして乳がんや卵巣がんを発症した方がおられる場合には、もう一歩進んで遺伝子検査を受け、食事や生活の改善を図るようにするのもいいでしょう」

 もちろん、胸にしこりがある、胸の変形がある、乳頭から分泌物があるなど気になる症状がある場合は年齢を問わず乳腺外科へ。

「入浴時に乳房を見て触ることを習慣にするなど、日本乳癌学会が提唱する『ブレスト・アウェアネス』を一度はチェックしておくと早期発見につながり、また、いざという時に的確な対応が取れると思います」

細胞診と同時にエコーを推奨

 自分の受けるべきがん検診がわかっても、SNSなどで目にする検査時の痛みや診察台に上がることへの不安感などで先送りにしている女性がいるのも事実。

「子宮頸がんの細胞診は、やわらかいブラシ状のもので子宮入り口の細胞を採取し、顕微鏡でチェックします。私の印象では、痛みを強く訴える方は少ないですが、心配な方は『痛みに弱いです』などと看護師に伝えておくと、医師も配慮してくれるはずです。

 これは個人的な提案ですが、検診でせっかく診察台に上がるなら、一緒にエコーによる画像検査を受けてほしいです。エコーで筋腫が見つかることがよくあるので、数年に一度、子宮や卵巣を総合的にチェックするいい機会と捉え、自分のために前向きに受診してほしいです

2025.03.02(日)
文=今富夕起
イラスト=竹井晴日

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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