若葉が眩しい5月、すっかり初夏となりました。和菓子の世界では、夏のイメージのお菓子や、涼を呼ぶ贈りものを用意する季節です。
そして、とらやの中でもTORAYA GINZAでしか食べることができない、期間限定の希少な逸品もご紹介します。
1年間お届けした、TORAYA GINZAの歳時記も今月で最終回。季節の変化を和菓子から感じてもらえたら、うれしいです。
わずか1週間、知る人ぞ知る“わらび餅”
とらやに“わらび餅”があるのをご存知でしょうか。今年はTORAYA GINZAの喫茶でのみ食べることができ、期間はわずか1週間。幻のメニューといってもいい、貴重なお菓子です。
とらやの菓銘のなかには、天皇家や公家からいただいたものも多いのですが、「岡大夫(おかだゆう)」もそのひとつ。「岡大夫」は公家・近衛内前(このえうちさき)公から銘を受けたもので、中国の故事に由来し、狂言の中にも登場します。
「岡大夫」は、見かけは決して華やかではありません。
なにしろ使われているのは、わらび粉と白双糖のみ。選び抜いたのは、岐阜県・飛騨で育てられた貴重な本わらび100%のわらび粉。中には小倉餡(粒餡)が入っています。
まず驚かされるのがその食感。プルン! と押し返されるような弾力がありながら、なめらかな口当たり。どこか懐かしい大地のような風味があり、上質なきな粉の香ばしさと相まって、しみじみとおいしさが感じられます。小倉餡の素朴な小豆の風味も、なるほどよく合うのです。
「岡大夫」が食べられるのは、TORAYA GINZAの喫茶でのみ、しかも5月の最後の1週間のみですから、ぜひお食べ逃がしなく。
