この記事の連載

時間をかけて解決していこうと思えるようになった

――三振でも打席に立ち続けることが大事なのですね。

瀧内 そう思います。自分に自信をもつのに、根拠なんかなくていいと私は思っています。根拠はなくても自分に自信をもち続ける。そのマインドが大事だと思います。

――2024年は大河ドラマにはじまり、独立、吉田大八組への参加など、まさに「打席に立ち続けた」一年でした。ふりかえっていかがでしたか?

瀧内 めまぐるしい一年でした。そして、自分の弱さや、弱いくせに強気で進んでしまう性格に気づくなど、自分自身を見つめるいい時間にもなったと思います。

 独立後、自分の未熟さに落ち込んだこともありましたが、すぐに白黒つけず、時間をかけて解決していこうと思えるようになったのも、いつの日か成長になっていたらいいなと思います。

――大きな一年だったのですね。今後の目標や挑戦についても教えてください。

瀧内 俳優としてお芝居をさせていただける環境を頂戴することが一番の幸せなので、今後もたくさんの作品に出られるよう、自分を磨いていきたいと思います。

 2024年は大河ドラマなどでお着物を着てお芝居をする経験も積ませていただきました。その経験を活かし、今年は日本人らしさや日本の文化を海外に伝える作品にも挑戦してみたいです。いまは映画やテレビ以外でもコンテンツが増えて、海外との合作も増えていますから、そういう作品にもご縁をいただけるよう、頑張っていきたいと思います。

『敵』

1月17日(金)テアトル新宿ほか全国公開
公式サイト:https://happinet-phantom.com/teki/
宣伝・配給:ハピネットファントム・スタジオ/ギークピクチュアズ

【STORY】
渡辺儀助、77歳。
大学教授の職を辞して10年――妻には先立たれ、祖父の代から続く日本家屋に暮らしている。料理は自分でつくり、晩酌を楽しみ、多くの友人たちとは疎遠になったが、気の置けない僅かな友人と酒を飲み交わし、時には教え子を招いてディナーを振る舞う。預貯金が後何年持つか、すなわち自身が後何年生きられるかを計算しながら、来るべき日に向かって日常は完璧に平和に過ぎていく。遺言書も書いてある。もうやり残したことはない。だがそんなある日、書斎のiMacの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる。

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2025.01.17(金)
文=相澤洋美
写真=釜谷洋史
ヘアメイク=董 冰
スタイリスト=三田真一/Shinichi Miter
衣装=TARO HORIUCHI
アクセサリー=Hirotaka