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  • 福尾誠さんインタビュー#2

「僕、もうちょっとトレーニングし直さないといけない」

——歌舞伎の場面で、踏み出した足が大きく音がすることがありますよね。

福尾 先生みたいに大きい音を出そうとするだけなら、力任せにやれば出ると思います。でも、先生はそういう音じゃない。体重の乗り方なのか、多分使う筋肉も違うのかもしれません。「なんでそんな音が出るんだろう!?」とずっと思っていました。

——アスリートの方はやはり、筋肉や運動の仕組みについて着目されるんですね。

福尾 今回の「食べちゃいたいそう」は分かりやすく、真似しやすい動きにはなっています。運動という視点から見ると片足でバランスを取るとか、ジャンプをするとか、そういったひとつひとつの動きにその運動としての意味も持っているなと感じました。激しい動きこそないですが、実際に踊っている僕は、皆さんが思う運動量よりかなり多いと思います。

——収録を見学していて、体幹が必要なたいそうだなと思いました……。 

福尾 ぴったり止まる動きって、足腰の筋力がすごく必要だなと感じました。失礼な表現でしたら申し訳ないのですが、踊りにスポーツの要素が存分に含まれているんだなと。歌舞伎俳優の皆さん、本当に足腰が力強くて。アスリートよりも筋肉あるんじゃないかなあ、僕、もうちょっとトレーニングし直さないといけない、到底追いつけないレベルかもって思うほどでした!

——体操のお兄さんであり、アスリートでもある誠お兄さんでもそう思われるんですか!? 

福尾 僕は、今回がぶを意識したかっこいい衣裳を着せていただいたんですけど、実は結構重いんです。いつもは半袖のラフな格好なので、びっくりしてしまって!歌舞伎俳優の皆さんはこれを着て、もっと重たい衣裳を身につけた上であれだけかっこよく、綺麗に立っているわけで、やっぱりすごい。実は真似したくて、鏡の前でずっと立ってみているんですけどね。

2024.12.24(火)
文=宇野なおみ