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タイトル戦の解説会には女性ファンが

――顔を覚えてもらえると、さらにファンになってしまいますね。女性の将棋ファンは増えているのですか。

さくら 主に観るほうの女性ファンが激増したと思います。私が将棋を観るのを始めたのは藤井聡太四段(当時)がデビュー戦から29連勝して将棋ブームになった2017年の前でした。その頃は、解説会などのイベントのお客さんは男性中心で、しかも空席があったのですが、最近は男女半々くらいか女性が多いくらいに。タイトル戦の大盤解説会は特に人気で抽選になるのが普通です。やはり藤井聡太七冠は人気があり、タイトル戦の対局を終えて、大盤解説会場に登場すると「キャー」なんて女性の歓声が。自作の藤井七冠応援うちわを持っている女性ファンも見たことがあります。

――ところで、この漫画は「えりりん」という愛称がタイトルに入っています。棋士や女流棋士に愛称は多いのですか。

さくら 実は「えりりん」と呼ばれるきっかけは聞いたことが無いのですが、ずっと前からファンに親しまれている愛称です。山崎隆之八段が「山ちゃん」みたいに名前からきている愛称もあれば、将棋の内容から丸太と呼ばれる佐藤康光九段のような例も。佐藤九段はタイトル獲得の経験も多く日本将棋連盟の前会長だった凄い棋士なのですが、将棋が丸太を振り回すみたい(に力強く変わっている)と言われて、それで丸太に。ファンに広く知られている愛称はたくさんあります。

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さくらはな。
マンガ家

千葉県出身。2013年5月3日に突然将棋を始める。将棋フリーペーパー「駒doc.」にて『将棋好きに成りました!』、竹書房「本当にあった愉快な話」にて『えりりんの女流棋士の日々』を連載中。著書に『将棋「初段になれるかな」大会議』(扶桑社)などがある。
X:@kusattamarimo

山口恵梨子(えりりん)の女流棋士の日々 将棋のお仕事出張編

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次の話を読む「将棋界は古参ファンが幅を利かせる ことなく、新入りにも優しいんです」 初心者に普及させたい将棋界の魅力とは?

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2024.09.21(土)
文=宮田聖子
撮影=松本輝一