さらにこの本に収録された令和版のその他の五作品を、日野聡さん、西山宏太朗さん、伊東健人さん、山下誠一郎さん、葉山翔太さんが、そして乱歩オリジナルの五作品を、下野紘さん、松岡禎丞さん、広瀬裕也さん、盆子原康さん、稲垣なつさんが朗読してくれました。

 それらのコンテンツも全てaudiobook.jp から、配信されています。それらは個別に購入して聴くこともできますが、聴き放題サービスもありますので、興味のある方は、“オーディオブックジェーピー”と検索してみてください。

 音声コンテンツの乱歩作品は、本で読むのとは一味違う魅力があります。大正時代には紙でしか読めなかった小説ですが、「令和 人間椅子」はスマホで聴くこともできるわけです。さすがの大乱歩も、そんな時代が来ることは予測できなかったのではないでしょうか。

 そして五〇年ぐらい時が経った時に、また誰か新しい作家がその時代の「人間椅子」を書くのではと夢想せずにはいられません。その時には、一体どんなデバイスで「人間椅子」を読むことができるのでしょうか。


「あとがき」より

令和 人間椅子(文春文庫 し 73-1)

定価 847円(税込)
文藝春秋
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2024.08.22(木)