この記事の連載

五穀豊穣を祈って鬼が舞う島へ

 太鼓を打ち、鬼が、獅子が、舞い踊る。1年を通して祭りやイベントが盛んな佐渡島。なかでも春は祭りのオンパレードです。今回の旅は島の伝統芸能をご紹介。

 また、かつて北前船で栄えた、佐渡・小木と上越・高田。それぞれに残るノスタルジックな町を散策しながら、伝統と文化を守り続ける人たちの熱い想いに触れました。いざ、盛りだくさんな旅へ出発。

» 佐渡のもんでひと休み「喜八屋ゴローカフェ」
» 歩くのが楽しい「小木の町」
» 緑に包まれ、芯に響く音を全身で体感「たたこう館」
» 奇岩の間をゆらり揺られて「宿根木はんぎり」」
» 島の滋味あふれる食材と地酒を揃えた「菜の花」
» 畑と海が見える酒場併設のゲストハウス「酒場の宿Seikuro」
» チョコレート工場でおやつタイム「筵CACAO CLUB」
» 地域の祭りを根本から支える「さどやニッポン」
» お米が、おにぎりが、団子がうめぇっちゃ!「御縁GOEN」 » ひんやりジェラートで至福のひととき「マッテラート」
» 笑顔になれるパン「T&M Bread Delivery SADO Island」
» 古民家レストランで本格フレンチに遭遇「お料理 あなぐち」
» 港町小木でのんびり「いとしげなお宿 こいちゃ」日― » レトロ感ある「こがね丸」で佐渡島から上越へ
» 上越のソウルフード“サンドパン”を求めて「小竹製菓」へ
» 上創業から400年。飴一筋の「髙橋孫左衛門商店」
» 通いたい日本最古級の映画館「高田世界館」
» 「歴史・文化に触れるノスタルジック旅」2泊3日モデルプラン


【DAY.1】

佐渡のもんでひと休み「喜八屋ゴローカフェ」

 佐渡島・南の玄関口となる小木は、江戸時代の金銀の積出港や北前船寄港地として栄えた港町。その中心街は町人文化を偲ぶ木造町屋など歴史的な建物が軒を並べています。この春には、宿根木と同じく、新たに国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。

 小木港から歩いて5分ほどの「喜八屋ゴローカフェ」は、国の登録有形文化財に指定。5階建ての建物で、明治に建てられた旧喜八屋旅館の1階を一部改装してカフェとして営業しているので、散策がてら立ち寄ってみましょう。

 ここで味わいたいのは、自家焙煎のコーヒーと佐渡産のおいしいもんを使ったメニューです。コーヒーはスタンダードの「しなしなコーヒー」とガツンと濃いめの「ごっつコーヒー」があり、今回はふわふわのシフォンケーキに合わせて、すっきりとした飲み口の「しなしなコーヒー」を選択。ちなみにしなしなとは佐渡弁でゆっくりという意味で、ごっつは鬼太鼓の赤毛の赤鬼の名だそう。

 軽食には「へんじんもっこ」のソーセージや赤泊の特産を使ったピザ、「T&M Bread Delivery Sado Island」のバゲッドを佐渡バターと羽茂はちみつで仕上げるフレンチトーストなどを用意。どれもご当地感満載の食材を駆使したメニューで、店主・石原雅美さんの丁寧な仕事ぶりが感じられる逸品です。

 カフェスペースのさらに奥の小部屋には、国内外から集められた約200種類のボードゲームがずらり。毎週木曜日の夜は「ボードゲーム会」が開催され、ワンコインで誰でも参加できるそう。出入り口には物々交換の本棚コーナーのほか、オリジナルのドリップパックをはじめ、佐渡を感じるポストカードやエコバッグといった雑貨などの販売コーナーもあります。

喜八屋ゴローカフェ

所在地 新潟県佐渡市小木町56-1
電話番号 090-1031-7835
営業時間 10:30~17:00
定休日 月・火曜(ほか不定休あり)
instagram.com:@kihachiya56cafe

2024.08.05(月)
文=大嶋律子(giraffe)
写真=釜谷洋史