【VAN CLEEF & ARPELS】 “愛のメゾン”が紡ぐ 語り継がれる物語

【第三幕】未来を照らす、強き光と確かな技

　至高の煌めきを放つダイヤモンドがふたりで歩む道を華やかに彩り、見守ってくれる。

オーラを放つ伝説のダイヤモンド

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　1906年の創業以来、ヴァン クリーフ＆アーペルのジュエリーは数多くの絆の象徴となり、それぞれの愛の物語を見守ってきた。 メゾンに大いなるインスピレーションを与える石は様々だが、いつの時代も最高峰をなすクリエーションを飾ってきた石といえば、ダイヤモンドである。

　地球で最も硬い天然物質で、その名は“不屈”や“無敵”といった意味を持つ、ギリシャ語の“adamas”に由来。同じものはふたつとないこの特別な石に、メゾンは誕生当初から一世紀以上にわたり、情熱と専門的な知見を注いできた。

　その大作が、2022年に発表したセマティック コレクション「レジェンド オブ ダイヤモンド」だ。910カラットの巨大なダイヤモンド原石“レソト レジェンド”からカットされた67石を貴石と組み合わせ、メゾン独自の“ミステリーセット”技法にて、 25点に及ぶ「25 ミステリーセット ジュエルズ」を制作。さらにコレクションの第二章として「ホワイトダイヤモンド バリエーション」が生まれた。

　感動を呼び起こす数々の歴史的宝石の美を高めてきたヴァン クリーフ＆アーペル。厳選された最高品質のダイヤモンドは人生で最も大切な時を美しく飾り、ふたりの未来を照らす道標になるだろう。

受け継がれる匠の技と永遠の美学

　ヴァン クリーフ＆アーペルの作品を生み出すのが、「マンドール（黄金の手）」と呼ばれる職人たちの“サヴォアフェール”。このフランス語は技術やノウハウを意味するだけではなく、感性や創造性も含めて長い時間の中で培われ、受け継がれた匠の技を指す。

　例えば、1933年に特許を取得した「ミステリーセット」。表からは留め具や爪が一切見えず、隙間なく並んだ石がまるでベルベットのように滑らかな光沢を放つ。このような高度な専門技術を取得できる職人はわずかなうえ、作業は精緻を極めるが、メゾンは“サヴォアフェール”を絶やすことなく伝承し、卓越性と革新性を追求し続けている。

　それもまたメゾンの名の中心にあるアンパサンド〈&〉に込められた“メゾンに携わる人々とサヴォアフェールの融合”、“詩情と技巧をひとつにする思い”の証だろう。

　伝統的な職人技はメゾンのすべての作品に惜しみなく注がれている。

　1920年に初めて登場したモチーフ「フルーレット」は、7石のラウンドダイヤモンドが花冠を象りながら可憐に輝く逸品。熟練のセッティング技術により隣り合わせに配置されたダイヤモンドは一体となって煌めき、精緻なオープンワークが施されたベゼルにより、その輝きはさらに増幅する。

　永遠のエレガンスを湛えた花々が、花嫁をその煌めきで祝福してくれる。

2024.07.17(水)
Edit, Styling & Text＝Mami Sekiya
Photographs＝Kaz Arahama
Assistant Edit＝Mai Ogawa

CREA Traveller 2024 vol.3
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。