6月14日からPrime Videoにて世界独占配信開始される『1122』に主演の岡田将生さん。近年は『ドライブ・マイ・カー』や『ゴールド・ボーイ』などに出演。今年は塚原あゆ子監督、野木亜紀子脚本の『ラストマイル』の公開も控えており、演技の評価もますます高まっています。
複雑で多面的な役を次々と演じる岡田将生さんのプライベートは意外にも「シンプル」だとか!? インタビュー後篇をお送りします。
いい人とお仕事がしたいと感じるように
――岡田さんは、デビューされた10代から今に至るまで、複雑な役を演じられているイメージがあります。役に関しては、自分でこういう人物を演じたいということが、若い頃からあったのでしょうか。
自分では分からないんですけど、影のある役は多かったですね。そういう顔つきに見えるんですかね? それは、僕のほうがみなさんに聞きたいことなんですよ。それに10代の頃って、周りの俳優仲間はみんな不良系の役をやっていたんですよね。そういう作品も多かった時代だったので。なのに一度もそういう作品に呼ばれなかったので、不良役、ヤンキー役で、みんなで「わあーーー!」って言いながらケンカとかする役をやってみたかったです(笑)。無口で影のある役が多くて、そういう役には縁がなかったので。
――では、10代の頃は自分で意識して選んでいたわけではなかったということですか。
ぜんぜんないですね。ちゃんと意識して、「こういう仕事をしてみたい」と明確に思うようになったのは、20代前半で。その頃から自分で作品を選んだりするようになりました。選ぶ時に意識するのは、この『1122』もそうですけど、いただいた脚本が圧倒的に面白いということに尽きると思います。
あとは、僕は今年35歳になるんですけど、なるべく人間関係を円滑にしたいという気持ちがありまして。僕自身も「あの人はいい人だよ」って言われたいし、そう言われている人とお仕事をしたい。今回も「今泉さんは僕たち俳優に寄り添ってくれる監督だよ」ということを聞いていたので、そういう方とお仕事をしたいなって思ったことも理由の一つです。
――「いい人でありたい」という思いはあるけれど、演じる役は複雑な役も多いという。でも、人間を複雑に描いてる映画は、いい映画でもありますしね。
そうですね。複雑で多面的な役のほうが演じていて楽しいというのはあります。そういう役をいただけたら絶対にやると思います。あえて選んでいるという意識はなかったんですけど、やっぱりそういう複雑で多面的な役を演じてることが多いとしたら、僕が無意識に選んでるんでしょうね。
2024.06.14(金)
文=西森路代
写真=平松市聖