この記事の連載
「自分だけ心地いい」から、「環境や社会にとっても、心地いい」を考える人が増えてきました。サステナブルなフードやホテルを選ぶように、コスメにおいても、地球の未来を想い、循環させる仕組みづくりを追求した「サステナブルコスメ」を選びたいものです。
そこで、ナチュラル&オーガニックライフ専門のPR会社「ラキャルプ」の代表で、「サステナブルコスメアワード」の審査員でもある新井ミホさんに、ここ数年、日本でも急増しているというサステナブルコスメの中から、選りすぐりのものを教えていただきました。ぜひ注目してみてください。
第7回は南国・沖縄で作られた製品をご紹介します。
» #01【沖縄県】タマヌオイル100%ピュア
» #02【沖縄県】月桃バランスローションS
» #03【沖縄県】アロエとアメジストの化粧水
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南の島で古くから薬として使われてきたタマヌオイル
◆【沖縄県】naure「タマヌオイル100%ピュア」
「naure(ナウレ)」は、沖縄県池間島の自然と暮らしを未来につなぐ取り組みから生まれたスキンケアブランド。
池間島で育ったタマヌ(テリハボク)の種子を、島のおじい・おばあたちが一つひとつ手作業で殻を割って胚乳を取り出し、太陽と風の力で自然乾燥したのち、コールドプレス製法でゆっくりと抽出してタマヌオイルを作っています。
原料となる種子の収穫は、完熟して自然落下した種を拾い集めるので樹木に負担をかけません。また、手作業で殻割りをすることで、虫食いやカビのあるもの、未成熟なものを除外して状態の良い種子のみを使用することができると同時に、島のお年寄りやハンディキャップのある方々に請け負ってもらうことで彼らの収入源にもなっています。
すべて手仕事のため、ゆっくりと少しずつしか作れませんが、この製法で作られた搾りたてのタマヌオイルは黄金色でナッツのような香りがします。
保湿作用のあるオレイン酸やリノール酸、代謝を整えるパルミチン酸などが含まれているほか、天然の抗炎症成分、カロフィロリードや、高い抗酸化作用をもつトコトリエノール(天然ビタミンE)も豊富に含有されています。
タマヌオイルは、「天然の万能薬」「森の薬局」とも呼ばれ、日々のスキンケアはもちろんのこと、南太平洋の島々では古くから皮膚の治療薬としても使われていて、切り傷ややけどなどの炎症を和らげる際にももちいられてきたそう。
「タマヌオイルを作った分だけ、島の自然も暮らしも豊かになっていく循環を生み出せるような“やわらかな”ものづくりを大切にしています。ブランド名は、宮古・八重山の古謡に繰り返し登場するフレーズ『ユーヤ ナウレ』からいただきました。
豊作への願い『豊かに実れ』、災いや不正のない世を願う『世や直れ』という意味があり、島の豊かな自然と平和な暮らしがいつまでも続くように、というわたしたち島民の願いでもあります」(ヤラブの木 担当者)
ヤラブの木
電話番号 0980-75-2501
https://yarabutree.com/
2024.05.21(火)
文=河西みのり
撮影=釜谷洋史