こういう場合は連絡して!

 「5分遅れます」のご連絡は、ご来店になる上では小さな誤差なので、ほとんどの場合必要ありません。多くの美容師にとって仕事に影響が出るのは、「15分以上」遅れる場合です。

 お客様の「15分以上遅れる事態」のお電話は、現場を円滑に回す上で重要な情報です。状況によって「現在接客中のお客様」や「後に続く予約のお客様」に影響してくるため、その際にはご連絡をいただければ大変ありがたいです。

 そして、美容師側からすると、お客様から「少し遅れます」のご連絡があったものの、しばらくしても来ない、ということも少なくありません。これは言わずもがな、人それぞれ「時間の感覚」が異なるからです。お客様にとっての「少し」が「5分」なのか「15分」なのかは、計りかねます。

 そのため、遅刻のご連絡はなるべく「具体的なお時間」をお伝えいただければありがたいです。

なぜ「15分」なのか?

 これについて、「5分と15分、そんなに違いがあるの?」と感じた方も多いはずです。しかし、ほとんどの施術で「10分以内」の遅れであれば作業をリカバーできるのですが、「15分以上」遅れると修正が利かなくなってしまうのです。

 美容師が行う様々な施術は、15分を目安にした作業が多いです。

 例えば、ヘアカラーをする際の…

カラーのリタッチを塗る

カラーを放置する(薬を効かせる)

カラー後のシャンプー

ドライヤーで乾かす

 各工程は、全て15〜20分目安で行っています。そのため、どの美容室でもカラーのメニューは「1時間半」を見込んでいます。

 「髪の長さや毛量」によって所要時間は前後しますが、手早くこなしても、各工程の時間はほとんど短縮することができません。そのため「15分遅れて来店される」とスケジュールがズレてしまい、スタッフの手が足りなくなることに直結するのです。

 こういった事情で、美容師は、お客様が15分以上遅刻して来た場合には「時間がないので、予定していたメニューはできません」とハッキリお断りすることもあります。

2024.04.21(日)
文=操作イトウ