この記事の連載
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◆『闇バイト家族』の光石 研
深いことは考えていない風のダメキャラがうますぎる!
“闇バイト”という今そこにある社会問題を扱いながらも、暗くなりすぎず笑えるストーリーと上手いキャストたちによって、楽しい展開を見せている『闇バイト家族』(テレ東系)。
それぞれの事情からお金を稼ぎたいと、闇バイトに手を出した男女5人が、何の因果かひとつの家族を演じることになる、という物語なのですが、ニセ家族の父親役を演じているのが、光石 研さんです(以下敬称略)。
キャラクターの説明として、「お人好しだがお金と女性にだらしない」と公式サイトに書かれるほどのダメキャラなのですが、人懐っこい笑顔と博多弁によってなんだかんだ愛してしまうのは、やっぱり光石 研の人徳? もとい演技力によるものだと思います。
闇バイトの一環として餃子屋を開けと言われれば、本題そっちのけでこだわりの餃子作りに精を出してしまい(しかも美味しいらしい)、怪しい荷物を運ぶ道中なのに、すっかり家族旅行気分で「キャンプだほい、キャンプだほい」と口ずさむ。
第7話では、ニセ家族だったハズなのに、母親役の原 佳苗(麻生祐未)のことをいつのまにやら本気で愛している、ということも判明しました。全体的に適当で成り行き任せ、ものを深く考えていない様が上手すぎます。
ご本人も公式サイトで「のらりくらりと、真面目に、ふざけてみたいと思っております!」とコメントしている通り、この融通無碍なお父さんは、光石 研ならではです。
2024.02.24(土)
文=斎藤真知子