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 こんにちは、ドラマウォッチャーのMです。2024年がスタートしてから早2カ月、冬ドラマ、楽しんでますか?

 今期のドラマもなぜか頑張るおじさん多めで、個人的にハマれる作品がたくさんある嬉しいシーズン。そこで今回も、注目したいおじキャラと、演じる俳優たちを4名厳選してご紹介します。

 ちなみに、このコーナーでは “おじさん俳優”を、40歳以上と定義してます。

後篇 『春になったら』の木梨憲武、『不適切にもほどがある!』の阿部サダヲ


◆『おっさんずラブ-リターンズ-』の吉田鋼太郎

一途な最強“ヒロイン”、愛すべき黒澤武蔵

 5年ぶりの待望の放送、内容が初代の正当な続篇になっていて、ファンの期待を1ミリも裏切らないつくり……などの理由でさらに人気が爆発しているドラマ『おっさんずラブ-リターンズ-』(テレビ朝日系列)。

 不動産会社に勤める、天真爛漫で優しくてちょっと子供っぽい春田 創一(田中 圭)と、素直な表現がやや不得手で、何事もひとりで抱え込みがちな牧 凌太(林 遣都)のカップルが、今シーズンでは手さぐりの新婚生活を送り、家族になっていく過程が物語の主軸です。

 そこへ、ファーストシーズンから続投の仲間や家族に加え、今回は新キャラとして、お隣に住む和泉 幸(井浦 新)と六道菊之助(三浦翔平)も登場して、あちこちで切ない片思いの矢印も発生中。名作『バイプレイヤーズ』並みに、イケてるおじさんが渋滞しているんです!

 そんな中でご紹介したいのは、吉田鋼太郎さん(以下敬称略)演じる黒澤武蔵。

 元々春田の勤める会社の上司だったのですが、前シーズンで“はるたん”(田中 圭)に本気の恋をして奮闘するも、思いがかなうことはないと知って身を引きました。

 その後会社を退職して、なんと彼は家事代行サービスの会社に再就職。家事全般のスキルを磨き、ある日スーパー家政夫として春田と牧の前に再登場してきた、というのが今シーズン。

 年下で同性のはるたんへの愛を自覚して悩む姿、告白するも玉砕して涙に暮れるいじらしい姿などが視聴者から愛され、いつしか“黒澤部長”ではなく“最強ヒロイン”と呼ばれるように(以下本文では“武蔵”と呼ばせていただきます)。

 実は筆者は、ファーストシーズンで武蔵がはるたんに告白を断られたときに叫んだ、「駄目なのは俺が上司だから? それとも男だから!?」というセリフに、うっかり泣かされた口です。特に「男だから!?」には、相手の気持ちが自分にはないことがわかったけれど、「なんでダメなの!?」とだだっこのようについ叫んでしまった、という切なさがあふれていて、ティーンの頃の自分を思い出し、気持ちがシンクロしてしまったのでした。

 そんな風に感じさせるのも、吉田鋼太郎の演技力の高さゆえというか、彼がこの黒澤武蔵の気持ちになりきっているからだと思います。

2024.02.24(土)
文=斎藤真知子