こんにちは、新人美容研究家のにらさわあきこです。
乾燥シーズン、油断すると、お肌がカピカピになってしまいますよね。超・乾燥肌の私は、メイク前に化粧水や濃い美容液を使って、保湿を頑張っているのですが、そのせいなのか、ファンデーションが顔に密着せずに、ポロポロ崩れ落ちてくることも……。
どうやら保湿の方法や、ケアアイテムの選び方が間違っていたようなのです。
そこで、メイク前のスキンケアについて、プロのヘア&メイクアップアーティストさんにじっくりと伺いました。
●メイクの決め手は「肌作り」
教えてくれたのは、ヘア&メイクアップアーティストの藤岡ちせさん。藤岡さんは、人気タレントやミュージシャンなどのヘアメイクを数多く担当してきたこの道30年の大ベテラン。最近は、一般の方を対象にしたメイク講座も行っています。
当コラムでも、以前、メイクアイテムのお手入れ法などを教えてもらいました。
藤岡さんのHP
「メイクで一番重要なのは、土台となる肌作りです。そのため、下地を塗る前にスキンケアをしっかりと行うのが大事です。が、メイク前のスキンケアについては、間違ったイメージを持たれている方がとても多いです。たとえばメイク前に、栄養を与えるパックをしたり、蒸気を当てたりすると、保湿の行い過ぎとなり、メイク崩れの原因になります。また、美容液やクリームは、粘度が高いものや油分の多いものを使うと、ファンデーションが消しゴムカスのようにポロポロと落ちてきます。こうなると、プロの私たちにも、リカバリーが難しくなってしまいます。メイク前のスキンケアは、なんのために行うのかを理解して行うのが大事です」(藤岡さん、以下同)
……なんと!
私、誤解していました。よく、「女優さんは、メイク前に、部屋着に着替えてリラックスして、顔に蒸気を当ててマッサージもして、肌をほぐしてからメイクしてもらう」なんて聞いたりするので、水分は肌に与えれば与えるほど、美容液は多少ねっとりするくらいのものを、クリームはリッチなものをつけるのがいいと思い込んでいました。特に乾燥シーズンは、頑張り過ぎていたかもしれません。が、それがメイクを失敗させる原因の一つになっていたとは!
「水分をお肌にたっぷりと入れ込むのは、正解です。が、それよりも大切なのは、水分と油分のバランス。メイク前のスキンケアは、お肌を滑らかな状態にして、凹凸をできるだけ減らし、上にのせる化粧品をピタッと密着させるために行うもの。水分だけがトゥーマッチだと、化粧を密着させ続けられなくて、化粧崩れする原因になりますし、粘度や油分があり過ぎると、美容成分が肌に浸透しきれず、肌の表面に残った状態になります。すると、上にのせた化粧品と混ざって、ポロポロと落ちてくるのです」
では、どうすればいいのでしょうか?
「お肌に栄養を与えるための美容液やクリームは、じっくりと時間をかけて浸透させるタイプのものがほとんど。つまり、寝る前に使うもの。化粧前に使うものとは、別物だと考えてください。パックも同じで、保湿のみに限定したものや朝専用タイプならいいのですが、栄養を補給するタイプのものは、化粧前には不向きです。実際、タレントさんも、保湿のし過ぎで、収録中にメイクが崩れてしまう人は多いです。1日中、メイクをもたせたいなら、なおのこと、メイク前のスキンケアは水分と油分のバランスが取れるように行いましょう」
2024.02.25(日)
文=にらさわあきこ
写真提供・撮影=藤岡ちせさん