さらに重厚感が増したバー。ブラッディーマリーの大阪バージョンとは?
時を超えて、伝統が息づく「セントレジスバー」もリニューアル。デザインのテーマは、日本が海外にその文化の扉を開いた“安土桃山時代”。
まず、バーカウンターの背後にある洛中洛外図をイメージした大阪の過去・現在・未来を描いた壁画に圧倒されます。
そして今回の改装では絨毯、テーブル、イスを、キーカラーのダークブルーに一新。絨毯には桃山小袖の紋様があしらわれ、和と洋の美しい調和が奏でられています。
バーはアフタヌーンティーも楽しめますが、大人の夜が始まる合図は夕刻のシャンパン・サーベラージュから。これは刃渡りの長いサーベルでシャンパンボトルのネックをスパンと切り落とす、お祝いの席でのリチュアル。セント レジス ホテル 大阪では毎夕、行われています。
さらに夕闇が濃くなってくると、夜の訪れ=バータイムのはじまりを祝う「バイオレットアワー」のリチュアルが行われます。
セントレジスバーでまずオーダーしたいのが、各国のセントレジスで楽しめるご当地ブラッディーマリー。大阪ではジャパニーズテイストの「ショーグンマリー」が味わえます。一口ふくむと、セロリのすっきりとした味わいと、柚子のピールの爽やかな香りが。グラスの縁のわさびパウダーや、隠し味の醤油も奥行きをもたらしています。
二杯目は、ぜひ「ニューヨーク インスパイアド カクテル」の中からチョイスを。これはアジア・パシフィックのセントレジスで展開しているカクテルシリーズ。ロウアーマンハッタンやイーストサイドなど、セントレジス発祥の地であるニューヨークのエリアごとのイメージにあわせたカクテルをラインナップしています。
今回は「マンハッタンクラブ」をチョイス。ハッカクをはじめ4~5種のスパイスを漬け込んだウィスキーを真空密封し、じっくりと低温調理をしたカクテルです。
舌が感じる味の感度の順(苦味→酸味→うま味→塩味→甘味)から、スパイスのオリエンタルな刺激からスイートベルモットの華やかな甘みへと、味わいが変化していきます。アルコール度数はかなり高いけれども、時間差のテイストが楽しく、ついつい杯を重ねてしまうかも。
セント レジス ホテル 大阪の伝説は、これからも伝説は続きます。
THE St. Regis Osaka(セント レジス ホテル 大阪)
所在地 大阪府大阪市中央区本町3-6-12
電話番号 06-6258-3333
www.stregisosaka.co.jp
2023.12.30(土)
文・撮影=古関千恵子