果物を取り入れたメニューの美味しさが印象的なイタリアン

アルモニコ
メニュー名:おまかせコース

関アジと苺のサラダ。苺を野菜感覚でどうぞ

 職業柄、お店選びを任されがちな私。皆さまから「行ったことがない新しいお店、あるいは話題のお店に連れてって」というリクエストをいただきます。

 さて、そんな場面が、つい最近もありました。メンバーは40代前半の女性と50代半ばの男性。上品かつミーハーな食通のおふたりです。どこにお連れしたらよいかしら!? と、悩んだ末に思いついたのは、恵比寿の「アルモニコ」。2013年早春まで恵比寿2丁目の「ティグレ」というワインバー&イタリアンの料理長として活躍していた、佐々木泰広シェフのお店です。かつてそこで佐々木シェフが作っていたお料理はワインバーの域を超えたもので、その味はまさしくリストランテのものでした。私が最初にハマッた佐々木シェフのお料理は、にくにくしくもなめらかな「田舎風パテ」。次にハマッたのは温野菜、カルパッチョ、砂肝のコンフィでした。どれも非常にシンプルですが、素材の持ち味が丁寧に引き出されていて、いつも大満足させていただいていたのです。

 そんな佐々木さんがオーナーシェフとして「アルモニコ」を開いたのは2013年4月15日。オープンしてから半年以上経っているので色々と落ち着いている頃ですし、佐々木シェフのお料理なら食通の先輩にも満足してもらえて、この連載のテーマである“キレイを目指す”お料理もいただけるはず……。佐々木シェフは北イタリアでの修業経験が長い(24歳からの3年間、北イタリアのモデナの3つ星レストラン「OSTERIA FRANCESCANA」などで修業)のですが、北イタリアでは料理に果物を使うことが多い、という話をしていただいたことを思い出したのです。果物のメニューに期待を膨らませつつ、「アルモニコ」へ。予約したのは5800円の「おまかせコース」です。

 お店があるのは、路地とはいえ人通りの多い、恵比寿駅から徒歩5分の雑居ビル。階段をのぼって4階に着くと、まずカウンターがあり、奥にテーブル席が広がっています。

 ワインはイタリアワインを中心に200種類の銘柄が揃っているそうですが、まずはシャンパーニュ(ドラピエ)で乾杯! 前菜を待つ間にパンに手を伸ばすと、全粒粉のパンもじゃがいものフォカッチャも自家製なのか、美味しくて食べ過ぎそう。自制心に自信がなくなります。

前菜の盛り合わせ。左からアジのエスカベッシュ、野菜のピクルス、田舎風パテ

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2014.01.14(火)