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◆22位『are you listening? アー・ユー・リスニング』ティリー・ウォルデン(著)三辺律子(翻訳)

 アメリカでもっとも権威あるマンガ賞のひとつであり「マンガのアカデミー賞」とも呼ばれる「ウィル・アイズナー漫画業界賞」受賞作(2020)。

 家出した18歳の少女・ビーと27歳の自動車修理工・ルー。ふたりの女性が、迷子の子猫ダイヤモンドと共に自らのトラウマと向き合うロードトリップ。ダイヤモンドを狙う怪しい男たちから逃れながら、少しずつ明らかになっていくふたりの過去とは。全1巻。

「既に海外では評価の高い作家の翻訳作品が日本でも刊行。海外マンガだけど、けして難解ではない。女性の生きづらさに寄り添う物語は時に幻想的で、苦しくもやさしい。独特の色使いも魅力」(三崎絵美さん マンガナイト理事)

「マンガと小説のあいだの作品をアメリカでは『グラフィック・ノベル』というようですが、本当に視覚で楽しみながらどんどん物語に引き込まれていってしまう、不思議な物語です。夜寝る前に少しずつ読みたくなる」(れっちょさん 30代 会社員)

「読むのが止められない! ふたりの女性の心の触れあいに切なくなりながら、ストーリーはどんどんスリリングな方向へ。胸が熱くなる」(はなさん 20代 書店員)

三崎絵美(みさき・えみ)さん
マンガナイト理事

公共図書館、マンガ専門図書館の司書を経て、現在は“マンガと学び”のプロジェクトなどを展開するマンガナイトにプランナーとして勤務。

2023.09.23(土)
文=CREA編集部
写真=平松市聖