この記事の連載

 2023年秋、発表になったCREA夜ふかしマンガ大賞2023。作品を推薦してくださったマンガ好きの30名の皆さんが、大賞に推した作品とその熱い推薦コメントを一挙にご紹介します。

 人生に影響を与えた作品や読書スタイル、いま注目の作品も伺いました! マンガ愛に溢れた回答を全6回に分けて紹介します。

» 雲田はるこさん[マンガ家]
» コナリミサトさん[マンガ家]
» コミック担当Sさん[都内大型書店勤務]
» 佐久間宣行さん[テレビプロデューサー]
» 実松由夏さん[SHIBUYA TSUTAYAコミック担当]


雲田はるこさん[マンガ家]

Q1:夜ふかしマンガ大賞に推薦する作品は?

●『天狗の台所』田中相/講談社

 日本で暮らす兄は天狗で、自分も天狗の末裔だと知るNY育ちの少年、オン。天狗連盟のしきたりで14歳の1年間を日本で兄とともに過ごすことに……。

「がんばりたいときに読みたくなるマンガ。登場人物が心に住んでしまう」

●『大丈夫倶楽部』井上まい/トゥーヴァージンズ

「往年の白泉社系少女マンガを彷彿とさせる革新性と安心感があります」

●『同人女アパート建ててみた』賀来/秋田書店

「夢みたいな話をリアルに読ませる。でも希望も詰まっている。主人公A子さんと賀来先生のこと、いま一番応援しています」

Q2:人生で影響を受けたマンガは?

●『つなよしくん』堀内三佳/ビーグリー

 江戸幕府5代将軍・徳川綱吉がお子さまだったら……。イヌ年に生まれたつなよしくんは、無類のイヌ好きで、毎日楽しくおかしく“将軍様”をやっている、ほのぼの系マンガ。

「いまだに口癖を真似してしまうし、大好きです」

Q3:夜ふかしマンガの楽しみ方は?

「思い立って急にマンガを夜通し全巻イッキ読みする瞬間。紙、電書問わず。タイミングはふいにやってきます。そのタイミングの、生活とシームレスに無意識に繫がる感じが凄く好きです。マンガを読んでいるという意識もなくなるほど没頭する時間が尊く、すべてのマンガ家さんにありがとうと」

雲田はるこ(くもた・はるこ)さん
マンガ家

『昭和元禄落語心中』(講談社)はアニメやドラマ化もされ、2017年に手塚治虫文化賞新生賞を受賞。『いとしの猫っ毛』(リブレ)『新宿ラッキーホール』(祥伝社)など。

2024.01.26(金)
文=大嶋律子(Giraffe)