●マキヒロチさんが楽しみたい夜ふかしマンガは?

――最後に、CREAの特集テーマ「夜ふかしマンガ」について、お聞かせください。マキさんは夜ふかしするときにマンガを読みますか。

マキ マンガ家になる前、学生時代とかは寝る前だけが唯一自分の時間みたいな感じもあったので、そのときにマンガを読むのが楽しみでしかたなかったですね。読んでて寝落ちするというのもよく聞きますが、私は興奮が冷めやらぬことが多かった気がします。

 私はマンガ家を志したのが結構早かったんです。「こんなすごい作品に出合っちゃったら、自分は何を描こう」とか、そういうことをいつも考えていて、寝るのが惜しかった。私は、同じ作品を何回も何回も読むタイプで、しかも何回読んでも同じシーンで感動する(笑)。逆に、いまは寝る直前までずっと仕事を頑張って、バターンとベッドに倒れ込むパターンがすごく増えて。寝る前はドラマや映画をサブスクで観る方が多いかもしれません。

――いま夜ふかしして読みたいマンガは何かありますか。

マキ 当たり前にみんなが読んでるものを知らないということが結構あって、『鋼の錬金術師』(荒川弘/スクウェア・エニックス)もかなりブームに遅れて読んだんですが、すごくハマりました。だから、たとえば『三国志』系とか、何か長編ものにチャレンジしたいですね。

マキヒロチさん

第46回小学館新人コミック大賞入選。『ビッグコミックスピリッツ』にてデビュー。リアルな人間模様を描いたストーリー漫画から、時計専門漫画、ギャグエッセイなど幅広いジャンルで活動中。著作に『いつかティファニーで朝食を』『創太郎の出張ぼっちめし』(ともに新潮社)、『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』『SKETCHY』(ともに講談社)などがある。

『おひとりさまホテル』

マキヒロチ
新潮社 各726円(税込) 既刊2巻
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ホテルの設計会社に勤める塩川史香は、ホテルで過ごす「おひとりさま」の時間をとても大切にしている。友人たちもそれぞれホテルに対するこだわりがあって……。『いつかティファニーで朝食を』のマキヒロチが描く、ホテルを巡って彩られる様々な物語。新潮社の漫画雑誌『月刊コミックバンチ』で連載中。