◆エキゾチック ヴァシュラン
一方、「エキゾチック ヴァシュラン」は、夏らしさを前面に打ち出したトロピカルなデザート。ライム果汁を加えたさわやかで口溶け軽やかなメレンゲに、パイナップルのエトゥフェ(蒸し煮)やタピオカ、フレッシュなマンゴー、パッションフルーツを潜ませ、ココナッツのソルベがのせられています。
その上にザクザクと香ばしいココナッツのチュイルを散りばめ、ココナッツのエスプーマをふんわりと。仕上げにライムの皮をすりおろしてかけ、甘酸っぱくてパリパリしたパイナップルのチップをあしらって、テーブルへ。目の前でマンゴーのソースをとろりと回しかけて供されます。
そこへふわりと漂ってくるのが、なにやらすっきり、さわやかな良い香り。「実はお皿が二重になっていて、ミントが香るお湯をドライアイスに注いで、冷気を発生させているんです」と、長江さん。
「食べる前にさわやかな香りのアプローチを加えることで、デザートが昇華されるという、視覚、香り、味わいを三位一体で楽しんでいただくための演出です。ドライアイスとともに、軽井沢で自生しているシダをお皿の中に閉じ込めています」
その香りに誘われてヴァシュランを口に運べば、ライムのすがすがしさやエキゾチックフルーツのみずみずしさが弾け、まろやかなココナッツとマッチ。さまざまな食感のコントラストも楽しく、そばに添えられたピニャコラーダのソルベもすっきり、トロピカルな味わいで、ヴァカンス気分が盛り上がります。
2023.08.18(金)
文・撮影=瀬戸理恵子