“将来やりたいこと”の明確な目標がある

――『カラフル』は親子関係にも焦点を当てた作品です。主人公の<ぼく>とご自身を比較して、重なる点やわからないなと思う点など、どんな風に感じられてますか?

 <ぼく>は割と明るいというか、コミュニケーションも苦手じゃないタイプですよね。僕も人と話すのがすごく好きなので、そういうところはわかるし似ているかなと思います。あと、<ぼく>は家族とコミュニケーションも取る。僕も同じなんです。家族との関係性は違うにしろ、コミュニケーションをちゃんと取っている点は似たところがあるかなと。

――最近の鈴木家のコミュニケーションで、楽しかったことは何かありますか?

 最近、我が家に犬が新しく来ました! 犬がみんなの中心にいます。今は4カ月目かな(※取材日当時)? めっちゃかわいいです! 名前はみんなで話し合って決めました。

――ご家族が増えたという素敵なエピソードですね。それでは<ぼく>と比較して、学校での友人関係やコミュニケーションの取り方はどうでしたか?

 <ぼく>は早乙女くんしか友達がいないけど、僕は全然、みんなと仲がいいタイプでした。中学でも高校でも、本当に男女分け隔てなくいろいろな人と仲良くしていました。大学に入った今でも、そうかもしれないです。

 僕が演じるにあたっては、<ぼく>は新たな環境を楽しんでいるじゃないですか。それと同じように僕も<ぼく>として、新しくこの雰囲気を楽しんでいる感じが出たらいいのかな、と思っています。

――俳優業はもちろんですが、情報番組のコメンテーターやラジオ・ナレーションなどジャンルレスに鈴木さんは活躍しています。現在、大学にも通っていますが、将来的にどんな仕事をしていきたいか、どんな立ち位置でいたいかなど、考えていることはありますか?

 今は大学で「これをやりたい」という目的が明確にあるので、それをまずしっかりと成し遂げたいです。その上で、俳優としてもしっかりと名を残せるように、皆さんに見ていただけるように、評価していただけるように成長していきたいです。

――学業で成し遂げたいこと、俳優業でやりたいこと、そこは完全に2軸で別物という感じでしょうか?

 もちろん重なる部分もあります。ただ、例えばAを活かして別にBをつくって、Aで学んだことをBにも活かすということは、今までもやってきているんです。それを続けたいですね。

――中学・高校と大学では世界が全然違いますよね。特に大学は目的があり学びに来ている人たちが集うわけで、そこから受ける刺激もありますか?

 めっちゃあります! うちの学部は、特にそういう人たちが集まっている気がします。みんなのやりたいことがすごくはっきりしているので、その話を聞いているだけでも楽しいですし。反対に、僕がしゃべったことにもみんなが反応してくれたりして、すごい楽しいですね。僕にとって今、大好きな場所になりました。

 強いて言えば、もうちょっと時間があったらいいのにと思います。24時間では足りないです! 例えば、今ドラマの撮影をしているので、ドラマ撮影に時間を割くと授業を早退してしまうこともあって……。できるだけ授業も出たいんですよね。僕は欲張りなので(笑)、これからもできることは全部やっていきたいですね。

鈴木 福(すずき・ふく)

2004年6月17日生まれ、東京都出身。1歳の時に幼児番組「いないいないばあっ!」に出演し芸能界デビュー。2007年にドラマ『君がくれた夏 〜がんばれば、幸せになれるよ〜』で子役としてデビューを果たす。11年、『マルモのおきて』に出演。「薫と友樹、たまにムック。」名義による同作の主題歌「マル・マル・ モリ・モリ!」で歌手デビュー。以降、映画、TV、舞台、CM など多岐にわたり活動。最近は情報番組やラジオ・ナレーションなど仕事の幅を広げ、自身のSNSを活用し情報を配信している。

せたがやこどもプロジェクト2023《ステージ編》
アミューズ×世田谷パブリックシアター
ミュージカル『カラフル』

日程:2023年7月22日(土)〜8月6日(日)
会場:世田谷パブリックシアター
出演:鈴木 福、加藤梨里香、百名ヒロキ、石橋陽彩、菊池和澄、島田 彩、高井泉名、本田大河、鈴木大菜、彩乃かなみ、川久保拓司/川平慈英
https://setagaya-pt.jp/stage/1858/
※地方公演あり

2023.07.05(水)
文=赤山恭子
写真=佐藤 亘