この記事の連載
- 杉咲 花インタビュー【前篇】
- 杉咲 花インタビュー【後篇】
浅田次郎さんの同名小説(文春文庫刊)が原作の映画『大名倒産』で、主人公・松平小四郎の幼なじみ・さよを演じた杉咲 花さん。映画の見どころと、6回目の共演となる神木隆之介さんとの関係性について、お聞きしました。(インタビュー【後篇】を読む)
想像していた時代劇とは違って、いい意味でやられた……! と
――『大名倒産』は、江戸時代後期を舞台にした時代劇映画です。「時代劇への出演」ということで、普段のお芝居とは違うプレッシャーなどは感じましたか?
杉咲 普段から拝見していたり、過去に時代劇に携わらせていただく機会もあったので、特別な気負いというよりは再び携わることのできる喜びの方が大きかったです。
着物を身に纏うことで、洋服を着ている時とは所作にも変化が生まれるので、その違いや動きの意味を発見したり考えたりする時間がとても楽しかったです。
――本作はポップで軽快なイメージで、いわゆる「時代劇」とは違う印象です。
杉咲 そうなんですよね。私も、自分が想像していたような時代劇とは違って、いい意味でやられた……! と(笑)。
テンポ感のある掛け合いが多く、現代的な言葉遣いがちりばめられていたりもするので新鮮でした。
――杉咲さんが演じた「さよ」が身につけている金魚柄エプロンの衣装も、現代的ですよね。
杉咲 衣装合わせで初めてお着物を拝見した時、「こういう世界観で撮影していくんだ」と新鮮に想像がふくらみました。
撮影時、前田(哲)監督がいつも小四郎やさよの着物に似たモチーフの洋服をお召しになっていたのが印象的で。そういった、可愛らしかったり、華やかなものがお好きな方なのかなぁと勝手に感じていて、そんな監督の祝祭的なメッセージが、この映画には込められているのではないかと思っています。
2023.06.23(金)
文=相澤洋美
撮影=釜谷洋史
ヘアメイク=kika
スタイリスト=田中美和子