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 映画『大名倒産』(原作・文春文庫刊)で、越後・丹生山(にぶやま)藩の背負った100億円の借金を返済するため、率先して節約プロジェクトを指揮するさよを演じた杉咲 花さん。さよと杉咲さんには意外な共通点がありました。インタビュー【前篇】を読む


人の目に映る緊張感をより肌で感じるように

――『大名倒産』で杉咲さんが演じたさよは、丹生山藩の借金を返済するため、さまざまな節約術を率先して行います。杉咲さんもグループではリーダーシップを発揮するさよタイプに見えますが、ご自分ではどう思われますか?

杉咲 どちらかというと逆かもしれません。学生時代は学級委員をやったり生徒会に入っていたこともあったのですが、この仕事を始めてから、人の目に映る緊張感をより肌で感じるようになってきたのかもしれません。

 さよは、はつらつとしていて、とても勇敢な人なのですが、私は臆病で人の目を気にしてしまうところがあるので、さよの眩しさには憧れがあります。

――さよは、主人公の小四郎をはじめ、周囲がみんな諦めてもひとり諦めずに解決策を探します。大きな困難にぶつかったとき、杉咲さんも諦めないほうですか?

杉咲 できるところまで戦おうとするとは思います。過去には諦めてしまった経験もあるのですが、いまは、逆境を乗り越えられた時に勝る喜びや感動はないと思っているので……。たった一人でもそこに留まっていたら、きっと手を差し伸べてくれる人がいる、ということを信じる気持ちも大切なのではないかと思います。

2023.06.23(金)
文=相澤洋美
撮影=釜谷洋史
ヘアメイク=kika
スタイリスト=田中美和子