深夜便の「軽食」とは思えない豪華な機内食と、熟睡を約束してくれる空の上のベッドルーム
ファーストクラスでは、食事の時間もメニューも自由に選ぶことができる。今回は、離陸してすぐにシャワーを浴びて着替えてから1回目の食事をいただいた。
成田−ドバイ間のフライトは、往路も復路も夕食の時間が過ぎてからのフライト。食事はフルコースではなく、メニューには「軽食」と書かれている。でも、そこはファーストクラス。寿司の盛り合わせ、牛肉のたたき、エビ入りミーゴレン、麻婆豆腐などのセレクションがある。深夜のスナックとしては、グリルチキンのサンドイッチやエビのカクテルなどから、好きなだけ選ぶことができるのだ。
まずは、離陸前からずっと飲み続けている(笑)、「ドン ペニヨン P2」と、絶対に外せないキャビア。キャビアのお供はメルバ・トーストに、みじん切りにした卵の黄身、白身、玉ネギ、チャイブ、サワークリーム、レモンという、王道の付け合わせ。航空会社によっては、キャビアとオリジナルの前菜を組み合わせていることもあるけれど、やっぱりこれがもっともキャビアを楽しめると思う。しかも傍らには「ドン ペリニヨン P2」!
食事と合わせるワインは、ファーストクラスの機内ならではの、全種類テイスティング。もちろん、CAさんと相談して料理に合わせるのもいいけれど、舌と鼻腔で確かめてから好みのワインをいただくのも楽しいというもの。レストランではこんなワガママは許されないが、ファーストクラスの機内なら全種類の飲み比べができるのだ。
食事は、牛ヒレ肉のたたきを選んだ。「まさか、生肉?」と思ったものの、英語のメニューを見ると“Seared beef tenderloin(細かくしたビーフテンダーロイン)”と書かれていた。運ばれて来たのはハンバーグステーキだった(笑)。
エミレーツ航空の機内食でいつも驚かされるのは火入れ。もちろん機内では火は使えないので、オーブンを使うのだけれど、以前食べたエビ焼きそばもエビがプリプリしていた。今回の牛肉もジューシーで美味しくいただいた。
食後、バーラウンジに行っている間にベッドメイクをお願いした。戻ってくると、フルフラットになったシートにはマットが敷かれ、毛布とふかふかの枕がセッティングされていた。シート幅が充分に寝返りをうっても余裕だ。ドアを閉めたときの安心感は熟睡へと誘ってくれる。
ぐっすり眠った後は、朝食。選んだのは懐石膳。機内食には定評があるエミレーツ航空だからこそ、和食を選んだのだった。温かい味噌汁とともにいただく、ほっとする味だ。
お茶やジュースとともに、朝から「ドン ペリニヨン P2」! 次にいつ出合えるかわからないから、ずっと傍らに(笑)。この日は、ダブル朝シャン(シャンプー&シャンパン)という、機内とは思えない至福のひとときを堪能させていただいた。
【取材協力】
エミレーツ航空
https://www.emirates.com/
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Column
たかせ藍沙のファーストクラスで世界一周
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2023.04.23(日)
文・撮影=たかせ藍沙