猫と暮らしてよかったと毎日毎秒思う!

――ここからは、卵山さんの猫ライフについてうかがっていきたいです。まず愛猫のトンちゃんとは譲渡会で出会ったんですよね。

卵山 「そうなんです。トンちゃんと出会って、もうすぐ10年になります。トンちゃんが来た1年くらい後、個人で保護活動をされている方からシノさんを譲り受けました。もう1匹、保護団体さんから預かっている、たねおがいて、現在は3匹です。夫はもともとは犬派だったんですが、いまは猫にぞっこんです」

――犬好きを猫好きに懐柔したのはすごいですね。どんな術を使ったんですか。

卵山 「頑張りました! くどくど『猫、可愛いよ~』と説明してうっとうしく思われたら逆効果かなと思ったので、動画や雑誌を『見て見て~』と何気なく一緒に見てもらうようにしていました。夫は犬派で動物好きの素養があったので、見てもらったらこっちのもんだと。私は犬も大好きで、体力があるうちに、犬も一緒に住みたいなと思ってはいるけれど、猫が群を抜いて好きなので。

最近マンションから一軒家に移ったんですね。猫のために買ったようなところがあるかもしれません。猫と暮らしてよかった、と毎日毎秒思っています。目に入るだけでもいいし、ちょっと足音とかが聞こえても可愛いし、デメリットは何もない。強いて言えば、長期の旅行とかに心配で出かけにくいくらい」

――最後に、卵山さんがお好きな猫マンガとかキャラクターを教えてください。

卵山 「猫マンガはたぶん、擬人化するのもリアル猫生態のもコミックエッセイも全部好きなんですよ。なのでマンガとして選んだりできないんですが、あえて挙げるとすれば、キャラクターとして、伊藤潤二先生のむーとよん(『伊藤潤二の猫日記よん&むー』講談社刊)ですね。猫マンガを描く身としては、どうしても可愛いに寄せたくなってしまうのですが、伊藤潤二先生は、本当に唯一無二の表現で猫を描いていらっしゃるなと衝撃を受けた覚えがあります」

――ホラー調でコワかわいく描かれる猫! 『よん&むー』は、私も最初読んだときに呆然としました! (笑)

『伊藤潤二の猫日記 よん&むー』 

『富江』シリーズなどで有名なホラー漫画家が描く、実話エッセイコミック。愛猫のコワかわいさに爆笑。

伊藤潤二 定価 713円(講談社)

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卵山 「最近のだと、キュルZ先生のキュルガちゃんが好きです。猫飼いの中に共通する“概念の猫”をめちゃくちゃ的確に掬い上げていて。うちもキュルガちゃんみたいなぽっちゃりした猫がいるので、ぽっちゃりならではの体のラインの曖昧さが、デフィルメが効いているのにリアルですごいなと思っています」

『夜は猫といっしょ』

猫・キュルガといっしょに暮らすことになったフータ。猫の不思議な生態が確かな筆致で描かれる。

キュルZ 既刊4巻 各定価 1,210円(KADOKAWA)

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――キュルガちゃんについては、こちらの記事でも紹介しています。『ねこの手キッチン』はぜひ続編を読みたいです。

卵山 「はい、私も機会をいただけたらうれしですね。まずは、多くの方に本作を楽しんでいただけたらなと思っています」

しゃべる猫が、美味しいごはんを一緒に作ってくれる日々
『ねこの手キッチン』卵山玉子 1,320円(文藝春秋)

ひとり暮らしのモモさんが冷凍餃子を焦がした夜、突然現れたしゃべる猫・ネコ助が、「あなた、料理を失敗しましたねッ!!」と、餃子をラザニアにリメイクしてくれて……? 料理が苦手だった主人公が、美味しいごはんを一緒に作ることでネコ助との友情をあたためていく、猫×ごはんマンガ。四季折々、発見がいっぱいのごはんをご紹介。CREA WEBでの連載分に加えて、80ページ以上を描きおろし!

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卵山玉子(たまごやま・たまこ)

ネコ好きのマンガ家。愛猫との日々をつづった『うちの猫がまた変なことしてる。』(KADOKAWA)でデビュー。主な著書に『ねこほん 猫のほんねがわかる本』(西東社)、『ズボラでも痩せる! ネコちゃんのゆるゆるダイエット塾』(KADOKAWA)、『マンガでわかる ネコさんが教える疲れリセット教室』(学研プラス)など。人気の『うちの猫がまた変なことしてる。』の最新刊7巻は2023年3月末に発売予定。
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2023.03.17(金)
文=三浦天紗子