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プラチナの70代

──郷さんは『黄金の60代』(幻冬舎)というご著書も出されています。「黄金」に込めた思いを教えてください。

 「60歳」をひとつの区切りとして、ポジティブに解釈して充実させようと僕は思いました。

 10代、20代は、やる気もあるし瑞々しい。30代は後輩に教えていかなければいけない立場。40代は経験を積んで、50代は人格を形成する。でも、人生はそこで終わりじゃないんです。その先の60代、70代、そして80〜90代と、まだあと40年間生きる「人生100年時代」に、60歳までの人生と60歳以降の人生、どちらを充実させるようかと考えたとき、60歳以降も光輝くものにしたいという意識を持ちました。それが「黄金の60代」です。そういう意識を持っていると、着ているものから言動、態度、姿勢、すべてが変わってきたんですよね。

 年齢って、考えると顔に出るんですよ。たとえば、ファッションでも「これちょっと派手じゃないの?」と思いながら着ていると、まわりからも「派手だよね」と言われます。でも「派手でいいよね」と思って着ていると、まわりからも「派手でいいですね」と言われます。だから、僕はたとえ年齢に合わない派手な衣装でも、「これを着る」と決めた時は、一切年齢は考えずに「これは派手でいいなあ」と思って袖を通すようにしています。

2022.12.25(日)
文=相澤洋美