運命に翻弄されてきた結珠と果遠の関係。ふたりは、真に望む人生をつかみ取ることができるのか。

「連載の最終回を書いている時すらも、どうしようか考えていました。でも編集者から、結珠のがんばるところを見たいと言われて。彼女たちが選んだ道を読者の方がどう受け止めるかという怖さはありますが、カタルシスのある物語にしたかったんです」

 果遠が結珠に幾度も願った「光のとこにいてね」という言葉の先にある未来とは――。

 深い愛に引き込まれる物語だ。


いちほみち 2007年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。21年『スモールワールズ』で吉川英治文学新人賞受賞、本屋大賞第3位。著書に『イエスかノーか半分か』『砂嵐に星屑』等。


(「オール讀物」12月号より)

2022.12.12(月)
文=「オール讀物」編集部