医療の力を借りるべきタイミングを見逃さない

 セルフケアを続けていても、生きづらさを感じたり、どうしても明るい気持ちになれない時は、うつ病など心の病気になっている可能性がある。上のチェックリストを参考に、医療の力を借りるべきタイミングを見極めよう。

「チェックリストで、もしグレーゾーンを越えているようなら、決して我慢しないこと。最近は心の不調を診る医療機関も増え、昔よりもずっと気軽に相談に来る人が増えています。治療が必要かどうかも含めて相談してみるくらいの軽い気持ちで受診していい。早く心をラクにしてあげてください」

≪心のSOS、チェックシート≫

グレーゾーン、危険ゾーンにひとつでも当てはまるなら、ケアを開始しましょう

●大丈夫!【安定ゾーン】

普段通りの状態。感情の動きがあり、体も動きます。心配ありません。

□ストレスがあっても切り替えられる
□体が自由に動く
□笑う、泣く、怒るなど感情の動きがある
□ハマっているものがある
□楽しいと感じられることがある
□人と会うのが億劫でない
□問題なく仕事ができる

●要注意かも……?【グレーゾーン】
医療機関へGo!

なんだかおかしいと感じたらまずはセルフケアや休息。それでも良くならなければ医療機関へ。

□なんとなくだるさが続く
□朝起きられない
□疲れやすい
□寝付きが悪くなった
□外に出るのが億劫
□なかなか連絡を返せない
□あまり笑わなくなった
□食欲がない
□顔を洗ったり着替えをすることが減ってきた

●すぐに受診を【危険ゾーン】
医療機関へGo!

これらの状態が2週間以上続く場合は何らかの心の病気の可能性大。一刻も早く受診を。

□人との関わりを持ちたくない
□眠れない
□何もしたくない
□食べ物の味を感じない
□何も楽しくない
□できていたことができなくなった
□生きていても仕方ない気がする
□面白いものを見ても心が動かない
□急に涙が止まらなくなる
□悪いことばかり考える
□ほとんどベッドの中で過ごす

出典:『お医者さんと一緒に解決 わたしのココロにしてあげたいこと。』(福永伴子先生監修/朝日新聞出版)より

●お話を聞いたのは……

精神科医 福永伴子(ふくなが・ともこ)先生

1994年、順天堂大学医学部医学科を卒業。同大学医学部精神科など複数の病院で診療経験を積み、2011年に東京・港区に「ともクリニック浜松町」を開院。近著に『お医者さんと一緒に解決 わたしのココロにしてあげたいこと。』がある。日本精神神経学会精神科専門医、日本医師会認定産業医。

2022.05.05(木)
Text=Miho Katsuki
Illustrations=Haruhi Takei

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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