つくりこまれた世界と日常が混在している映画のワンシーン。少し視点を変えてみると、ここで暮らしてみたい、真似したいと思わせてくれるものに出合えるはず。
今回は、大谷さんがセレクトしたとっておきのアイテムを使い方のポイントとあわせてご紹介。映画の世界観や登場人物たちにグッと近づけるかも? 映画をヒントに、自分なりの解釈で空間づくりを楽しんでみて。
ナチュラル系、モダン系の空間とも意外と相性よし
『インテリア』
三姉妹の母は高名なインテリアデザイナーという設定のため、完璧なインテリアの部屋が登場。娘の部屋に使われているのは、マルセル・ブロイヤーの名作椅子・チェスカアームチェア。
「劇中では主役級の扱いではないですが、とても目立つ存在。今、密かにブームが再来しているので、映画のコーディネイトを参考に暮らしに取り入れてみるのもおすすめ。
パイプがシルバーなので、一見合わせるのが難しそうですが、ナチュラルな空間やモダンな空間と相性がよし。丸テーブルと組み合わせると、今っぽいスタイリングに」
●マルセル・ブロイヤーのチェスカアームチェア
素材は揃えるのがベター。建築家兼デザイナーのマルセル・ブロイヤーが1928年に発表。1本のスチールパイプで作られ、後ろ脚がない構造が特徴。座面は籐製。
【ノルジャパン】
電話番号 03-6447-5405
https://www.knolljapan.com/
●あらすじ●
ウディ・アレンが初めて手がけたシリアスドラマ。舞台は、ロングアイランドの高級住宅地。結婚30周年を迎えた両親の突然の別居、傷心の母の自殺未遂……。三姉妹の心の葛藤を中心に、幸せそうに見える一家が崩壊してゆく様が描かれる。
『インテリア』
監督:ウディ・アレン
出演:クリスティン・グリフィス、メアリー・ベス・ハートほか
INTERIORS ©1978 METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOS INC.. All Rights Reserved.
U-NEXTにて見放題で配信中
いつものベッド周りに色味のあるクッションを
『パターソン』
「主人公の妻ローラのインテリアセンスは個性的すぎるのですが、ベッド周りのラフな感じはとても好き。淡いターコイズブルーのクッションが効いています」
ベッドシーツや枕カバーはそのままでも、こうした色物のクッションを1つ加えるだけで、ソファっぽい雰囲気に。
「生活感が出やすいベッドがインテリアとして見えてきます。クッションカバーは、インテリアショップなどで手軽に買えるので、取り入れやすいのも魅力です」
●リーノ・エ・リーナのクッションカバー
ウォッシュド加工を施したリトアニア製のリネンのクッションカバー。しっとりとした肌触りとナチュラルな素材感で使い心地よし。クッションはボタンの箇所から出し入れ。
【リーノ・エ・リーナ】
電話番号 03-3723-4277
https://www.linoelina.jp/
●あらすじ●
ニュージャージー州のパターソンで、妻ローラと暮らすバス運転手のパターソン。単調に映る毎日だが、詩人でもある彼にはすべてが美しく見え、家族や周囲の人々との交流はかけがえのない時間。そんなパターソンのなにげない7日間をつづる。
『パターソン』
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:アダム・ドライバー、ゴルシフテ・ファラハニほか
©2016 Inkjet Inc. All Rights Reserved.
Blu-ray&DVD&デジタル好評リリース中
提供:バップ、ロングライド
発売元:バップ
2022.04.13(水)
Text=Mie Nakamura(Jam session)
Photographs=Hirofumi Kamaya(cut out)