大好きな人に会える居場所があると、すごく安心する
――ドラマの中では恵子先輩に思いを寄せながらもなかなか積極的になれない吉岡ですが、浅香さんが共感する部分は?
僕自身も女性に対しては奥手な部分がありますし、一方で酒場ではいろんな人とフラットに話すことができるし、おいしいお酒とおいしいご飯が大好き。そういうところは似ていると思いますね。
Season2では恵子先輩との恋愛模様はもちろん、職場でキャリアアップして後輩もできるので、吉岡の成長ぶりも楽しんでいただけると思います。
――浅香さんも後輩が増えてくる年代ですが、コミュニケーションで心掛けていることはありますか?
僕自身は目上の方にしっかり敬意を持って接したいと思っていますが、後輩に対しては先輩然としたくないというか。上下関係を強要したくないし、なるべくフラットに接したいと思っています。
もちろん、「聞いてくださいよー」と言われたら相談に乗ることもありますけど、芝居の話を普段はあまりしたくなくて……。結局頼りない先輩になっちゃう(笑)。
それに作品が終わった後ならいいけれど、撮影している最中にあーだこーだ言ってその人の芝居に影響を与えるのはちょっと違うかなって。基本的には楽しくいたいんで。
――仕事の上司や後輩とプライベートで飲みに行ったり、ご飯に行ったりすることを避ける人もいますが、浅香さんは?
僕も前はそういうタイプだったんです。でも年齢を重ねるごとに積極的にコミュニケーションを取りたいなと思うようになりましたね。
やっぱり役を背負わない部分でのコミュニケーションが、役に影響することってすごく大きいと思うんです。例えば恋愛ものをやるとしたら、セリフ以外で言葉も交わしたことがない人と恋人同士を演じるよりも、相手の癖や仕草、人との距離感を知った上で演じた方が、新しいものが生まれそうじゃないですか。
もちろん仕事だから割り切って演じることもできますが、その人自身を知っていることで、演じる上での心持ちも違ってくる気がします。
――ちなみに吉岡にとって恵子先輩は、弱音を吐ける人であり、喝を入れてくれる人です。浅香さんにとってそういう存在はいますか?
それこそ行きつけの飲み屋の店長さんがそうですね。10歳くらい年上の女性なんですが、もう、本当に明るくてコミュニケーションおばけ(笑)。たまに「こういうことがあってさ」みたいなグチをこぼしたりするし、相談に乗ってもらったりすることもあります。
大体お酒を飲んじゃうから何を言われたか具体的に覚えていることはあまりないけれど、そういう人に会える自分の居場所がいくつかあると、安心しますよね。
2022.03.27(日)
文=松山梢
写真=深野未季
ヘア&メイク=安方成穂
スタイリング=根岸豪