皿やスプーンに本漆による蒔絵体験

 親子3代に渡って越前漆器の蒔絵を生業にしているのが松田蒔絵の家。初代の技を引き継ぎ、器だけでなく家具やアクセサリーなど、新たな分野にも積極的に取り組んでいる工房です。

 ワークショップでは、本漆を使い、銘々皿・手鏡・コーヒースプーン・カレースプーンのいずれかに蒔絵を施す体験ができます。

「蒔絵はすごく繊細で、1ミリ以下の細かさで絵柄を描きます。仕上げに金粉や粉を蒔いて完成。自分が描いた蒔絵の絵柄が器やスプーンなどになる体験は、感動ものです」(山田さん)

電動ロクロを使った越前焼の焼き物体験

 作品づくりだけでなく、近所の保育園や小学校でも陶芸を教える活動をする、地域に愛された越前焼の工房が宗山窯。

 ワークショップでは、電動ロクロを使って焼物体験を行います。飯椀、または小鉢くらいの大きさのものを作ることができます。

「越前焼の工房には、電気窯を使って焼くところもあれば、洞窟のような大きな窯で年に数回しか焼かないところもあります。器好きの方は、宗山窯をはじめ、窯に注目しながら工房を巡ってみては」(山田さん)

越前箪笥の指物技術を紙コップホルダーから学ぶ

 越前箪笥の金具作りや漆塗り作業を見学できる工房見学エリアと、越前箪笥やオリジナルの木製家具、雑貨を展示販売しているショールームエリアに分かれた工房を備えているのが、小柳箪笥店です。

 ワークショップでは、紙コップホルダー作りを通して越前箪笥の指物技術をわかりやすく体験できます。

「越前箪笥には、釘を使わずに部品をパズルのように組み合わせて作る指物技術が使われています。組み方や削り方を工夫することで立体的なものが作れることを、紙コップホルダーでぜひ体験してみてください」(山田さん)

2022.03.10(木)
文=石川博也