黄金色に輝く「クリスタル岬」

 島随一の美しいビーチは、北西にある「永田いなか浜」。目の前に口永良部島がそびえる、約800メートルのビーチです。花崗岩が砕けたキビ色の砂は、ザラメのよう。ここはサンセットのスポットでもあります。

 そして毎年5~7月、絶滅危惧種のアカウミガメが産卵のために上陸します。この貴重なビーチは、2005年にラムサール条約にも登録されました。

 もうひとつ、訪れたいのが、東部にある「クリスタル岬」。石英の鉱脈に水晶が含まれているため、その名が付いた岬です。クリスタルには浄化作用があり、屋久島には“厄落とし”的な語呂合わせもあるので、すっきりさっぱりデトックスができそう!?

 林の暗がりから抜けると、視界に飛び込んでくるのは、海に向かってそびえる山吹色の岩壁と岩塊。クリスタル岬はかつてタングステン(重石)が採掘された鉱山跡地でした。岩壁には無数の刻み跡、スパッと切り落とされたような岩など、かつて人々が採掘していた形跡が残されています。

 ここに訪れるのは、早朝がおすすめ。朝日を受けて、あたり一面が黄金色に輝きます。太陽の力強さと岩に宿るパワー、全身に充填できそう。

2022.02.26(土)
文・撮影=古関千恵子