ギャップ萌えがスゴい難役。日本初演の新作「二都物語」
――さて、7月から8月にかけて帝国劇場で上演されるミュージカル「二都物語」。日本初演となる本作への意気込みをお願いします。
「レ・ミゼラブル」の後の公演だけに、かなりプレッシャーはあるんですけど(笑)、「エリザベート」や「モーツァルト!」のような大ヒット作品をやらせてもらうのと同じくらい、日本初演となる新しい作品をやらせてもらうことは名誉だと思っています。確かに新作は結果を出すのは大変なんですけれど、いろいろとみんなで試行錯誤していくことは大切だと思うんです。オリジナルは素晴らしい作品ですので、その素晴らしさを損なわずに、日本版ならではのプラスもしたいですね。
――井上さんは今回弁護士のシドニー・カートン役を演じられますが、「今回の井上芳雄はここが違う」というようなポイントはありますか?
カートンは飲んだくれですし、自分を大切にしていないし、人生に対して期待していない無頼派なんです。とにかく感じが良くないキャラですから、どれだけ普段の僕の感じの良さを出さないようにするか、が勝負ですね(笑)。それに彼は最終的に、自分の命と愛する人の幸せを引き換えにできる人。究極の犠牲愛ができる人。彼と同じことはできないにしろ、つま先ぐらいは理解して演じたいですね。さらに、女性から見たらものスゴく魅力的で、ギャップ萌えがスゴい人らしいので、それも上手く出していきたいです。
2013.08.02(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Nanae Suzuki
hair&make-up:Tomio Kawabata
styling:Miho Yoshida