「これ、すごく好き」と思えるモノは、自分らしさの種となり、あなたという人の輪郭を描いてくれるものになる。ジュエリー・ディレクター伊藤美佐季さんおすすめのアイテムを紹介します。


YUTAI

ネックレス「Sectional」

ジュエリーブランドSHIHARAのデザイナー、石原勇太氏が手がける新ブランド「YUTAI(ユタイ)」。非装飾的でストイックなデザインのSHIHARAに対し、伝統的な宝飾技術やジェムストーンを用いて、色彩を積極的に取り入れた自由な創造性を有しているYUTAI。この「Sectional」は、パール、ジェムストーン、金属などの素材の球体をセクションごとにシームレスにつなぎ合わせたもの。金属部分は、職人がパールの断面に合わせて、地金を打ち出して作っている。20種類に及ぶジェムストーン、アコヤ真珠、南洋パールなどのパールの種類、ネックレスの長さや素材の組み合わせ、配置をカスタマイズすることが可能。ネックレス(YG×アコヤ真珠) 627,000円/ユタイ(ドーバー ストリート マーケット ギンザ)
ジュエリーブランドSHIHARAのデザイナー、石原勇太氏が手がける新ブランド「YUTAI(ユタイ)」。非装飾的でストイックなデザインのSHIHARAに対し、伝統的な宝飾技術やジェムストーンを用いて、色彩を積極的に取り入れた自由な創造性を有しているYUTAI。この「Sectional」は、パール、ジェムストーン、金属などの素材の球体をセクションごとにシームレスにつなぎ合わせたもの。金属部分は、職人がパールの断面に合わせて、地金を打ち出して作っている。20種類に及ぶジェムストーン、アコヤ真珠、南洋パールなどのパールの種類、ネックレスの長さや素材の組み合わせ、配置をカスタマイズすることが可能。ネックレス(YG×アコヤ真珠) 627,000円/ユタイ(ドーバー ストリート マーケット ギンザ)

 日本人の女性の多くが、ファーストジュエリーとして手に入れることの多いパールのネックレス。お母様から譲られたという方も多いかもしれませんね。清潔感があって上品、年齢やファッションのテイストを問わず誰にでも似合う、最もベーシックなジュエリーのひとつです。

 しかし、私はつける人を選ばない、ある意味無難なアイテムだからこそ、素敵に見せるのはとても難しいと思うのです。オーセンティックなデザインだけに、「自分らしさ」をどこで出すのかに、その人のセンスが問われるからです。

 先日、そんなパールネックレスのジレンマを解決するアイテムに出会いました。昨秋デビューしたジュエリーブランドYUTAIの「Sectional(セクショナル)」です。

 新作の展示会で、7.5~8ミリのアコヤ真珠の中に、ほんの数粒イエローゴールドの球が並んだネックレスに「なんて新鮮なデザイン!」と一目惚れ。

 マットなゴールドがピリッと利いたデザインで、ゴールドの位置を前にしたり斜めにしたりすればアクセントになりますし、ベーシックにつけたいときには後ろにすればいい。この「ほんのちょっと」のゴールドがあることで、パールに個性が加わって洒落て見えるのです。

 この「Sectional」は、カスタムメイドなので、自分の好みに合わせてネックレスの長さはもちろん、パールのネックレスの一部を金属と色石から選んでつくることもできますし、その配置を自由に変えられるのも魅力。

 パールのネックレスは、実は長さがとても重要で、首の太さや肩幅によって、似合う長さは変わります。私が個人的に好きなのは、チョーカーのようにピタッと首に沿わせる短めか、60〜70センチくらいの少し長めの丈。トレーナーやTシャツなどクルーネックの襟の時は、あえて少し長めのパールを中に入れて、首元にちらっと白が見え隠れするあしらい方が好みです。

 パールはつけただけで「上品」には到達できる。でもその先の“自分らしさ”というステップに進むための「2本目のパールネックレス」として、これを選んでみてはどうでしょう。

ドーバー ストリート マーケット ギンザ

電話番号 03-6228-5080
https://ginza.doverstreetmarket.com/

伊藤美佐季(いとう みさき)

ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。つける人の個性を生かしたスタイリングは、女性誌のほか多くの女優からも支持が厚い。著書に『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』(ダイヤモンド社)
Instagram @jewelryconcierge_m

Column

伊藤美佐季のSource of yourself

ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。

2022.01.03(月)
Text=Miwako Yuzawa
Styling=Misaki Ito
Photographs=Masahiro Sambe

CREA 2022年冬号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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