福島県いわき市の中心、JRいわき駅からも近い平谷川瀬に、生活の中の布と鉄を制作するomoto(おもと)アトリエがあります。ここで1カ月に1度、満月の日に「生活直売店」がオープン。野菜やお米、味噌や醤油などの食材から衣類、雑貨まで「みんなの小さな休憩所のようなお店になれたらいいなと思って」というomotoの鈴木智子さんが主催する「生活直売店」を訪ねました。
鍛冶職人と布作家夫妻のアトリエで、満月の日に開く小さなショップ
omotoは鍛冶職人の鈴木康人さんと布作家で妻の智子さん夫妻のブランドで、それぞれに包丁や服や小物などを制作する傍ら、1カ月に1度、満月の日に「生活直売店」を営業します。採れたての野菜、材料にこだわって手作りされたお菓子、安心で味もよい調味料など、智子さんが実際に食べたり使ったりして本当に良いものだと思ったものが並びます。
「生活直売店」を開くきっかけは10年ほど前から行っていた毎月恒例の集い、「満月講」。参加者は必ず自分で作った料理を1品持ち寄る、というのがルールだったそうです。「生活直売店」はその発展形で、自分の持っている技術を持ち寄り、縁ある人と分かち合えたらいいな、との思いでスタートしました。
「生活直売店」で扱っているものは、沢山生産することが難しいものが多いため、「これがないと1カ月、本当に困ってしまう!」という方のために予約制もとっています(Instagram)。イチかバチかの出合いを大切にしますという方には、予約せずに来店してくださいとのこと。訪ねる時期によって出合えるものが変わるというのも、楽しいものです。
2021.12.17(金)
文=CREA編集部
撮影=嶋﨑征弘