omotoアトリエで日々制作される、布小物や包丁をご紹介!

 生活の中の布と鉄を制作している鈴木康人さんと智子さんの作品は前述の「生活直売店」では販売される月もありますが、手作りなので並ばないときも。その場合は、日本各地で開催される展示会でも購入できます。康人さんの包丁は、ワイルドに作られているように見えて切れ味一流で、予約して数年待ちという人気ぶり。智子さんが作る包丁ケースや鍋つかみなども独特の風合いで、ひとつひとつが違う個性を放つ魅力溢れるものです。

 数年待ちの康人さんの包丁が運よく購入できても、日々使っていれば切れ味が悪くなるもの。手入れをしながら長く使える道具でありたいという思いから、購入後の包丁研ぎも受け付けています。取材時にも日本各地から届いた研ぎを待つ包丁が並んでいて、大勢の人に愛用されていることが伺えます。

 日々の暮らしに欠かせない鉄と布で作られるものを制作する鈴木さん夫妻。その営みは、ものに対する考え方~使い捨てではなく、メンテナンスをしながら長く大切に使うことの幸せを教えてくれているように感じます。近くの人はもちろん、旅の途中で「満月の日」を気にかけて、いつの日か「生活直売店」を訪れてはいかがでしょう。

アトリエomoto「生活直売店」

所在地 福島県いわき市平谷川瀬1-19-6 
営業時間 満月の日 12:00~19:00
http://www.nunototetsu.com/

2021.12.17(金)
文=CREA編集部
撮影=嶋﨑征弘