秋に出回るスイセンとともに名作『ビッグ・フィッシュ』を

 映像の世界でも、たくさんの花がその鮮やかな姿をスクリーンに映しています。なかでも花の存在感が大きい、おすすめの2つの映画作品をご紹介します。

 1つめは2003年製作の『ビッグ・フィッシュ』。ティム・バートン監督が手掛けた作品で、第76回アカデミー賞作曲賞にノミネートされました。父と子がテーマになっており、父の若き日の回想シーンがファンタジーのような美しい映像で流れます。

 若き日の父がサーカスで1人の女性に一目惚れしますが、素性が分からずに月日が流れます。運命の再会を果たすも、女性はすでに別の男性と婚約をしていました。あきらめきれない父は彼女の部屋から見える一帯に、彼女の好きなスイセンを植えて、愛を告白します。

 スイセンは年明けの寒い時期に咲いているイメージがありますが、花屋さんにはニホンズイセンという種類がいち早く秋に出回ります。季節先取りのスイセンを傍らに、映画を楽しみましょう。

『華麗なるギャツビー』はランでいっぱいのお部屋で

 2つめは2013年製作の『華麗なるギャツビー』。1925年刊行の同名小説が原作で、これまでも2回映画化されていますが、近年の主演はレオナルド・ディカプリオです。

 ディカプリオ演じるギャツビーは、贅沢なパーティーを頻繁に開くビジネス界の大物。彼が若かりし頃、将校時代に出会った1人の女性に恋をしますが、その後離ればなれに。後に運命の再会を果たすも、女性はすでに別の男性と結婚。あきらめきれない彼は、彼女をお茶に招待しますが、その部屋を豪華絢爛なランでいっぱいにして彼女を驚かせます。

 ランの種類は1万種を超えるといいますが、花屋さんで手に入るランの中でもデンファレモカラなど、手軽な値段で手に入るランもあります。そういったランをセレクトして、少し贅沢にたくさんのランを部屋に飾れば、きっと華麗なる時間を過ごせることでしょう。

2021.09.24(金)
文=佐藤俊輔