「コロナ禍の一番の収穫は……」(柄本)
――そんなおふたりが、本作では漫画家というクリエイター夫婦を演じます。
柄本 実は僕、小学生のときに漫画クラブに入っていたんです。というのも、うちの母がすごく漫画好きだったんですよ。主に“ガロ系”だったんですが。
僕が幼いころに入院したことがあったのですが、その時期がちょうど『ドラゴンボール』の人気が出始めたころで、「お見舞い」と言って母が『ドラゴンボール』を1巻から持ってきて、病室でずっと読んでいましたね(笑)。
黒木 (笑)。
柄本 「お見舞いという理由なら、お父さんにも何も言われずに堂々と漫画を読める」とか言って。毎日5巻ずつくらい買い足していって、5巻分読んだら帰っていきました(笑)。
うちにでっかい漫画棚もあって、漫画は身近でしたね。(漫画家の仕事場に密着するドキュメント番組)『浦沢直樹の漫勉』も観てるし、漫画家を演じられる喜びはありました。
黒木 『漫勉』、面白いですよね。
柄本 ね! (『ゴルゴ13』の作者)さいとう・たかをさんの回が最高だったな……。
――黒木さんは漫画好きとしても知られていますが、最近の推し漫画はどんな作品でしょう?
黒木 いっぱい読んでいますが、『チ。』と、撮影中に佑さんにオススメされて読んだ『王様ランキング』と『ドロヘドロ』にハマりました。
柄本 僕は、撮影中に『重版出来!』を借りて読みました。
――撮影中も、たくさん趣味をシェアされたんですね。
黒木 佑さんにTikTokについても教えてもらいました(笑)。
柄本 そうそう(笑)。コロナ禍の一番の収穫はTikTokにハマったことですね。
黒木 さっきもケチャップさんの話をしていました。
――トランジション(映像を切り替える編集技術)で有名な女性TikTokerの方ですね。
柄本 ケチャップさんはヤバいよね! (宣伝スタッフを見て)ぜひ宣伝にトランジションを組み込んでください!
黒木 撮ってほしい!
柄本 そしたらガチ上がりするわ……。めちゃくちゃカッコいいんです、ケチャップさん。ぜひ色々な方に観てほしい。
――先ほど、写真の撮影中もK-POPのお話で盛り上がっていましたよね。おふたりは結構、創作物やコンテンツに積極的に触れて、作品をご自身に“取り込む”タイプなのかなと思ったのですが、いかがですか?
黒木 私より佑さんのほうが、映画を観ているイメージがあります。
柄本 映画は昔からそうですね。でも確かに、「観てみたら」とか「読んでみたら」ときっかけをいただけたら、割と何でもすんなり受け入れられます。コロナ禍で時間もたくさんありましたし。ただ僕は映画館でしか映画は観ないので、最近はそこまで映画館に行けてないんですよ。
黒木 『アメリカン・ユートピア』は観たいですよね。
柄本 観たい! あとは『ビーチ・バム まじめに不真面目』。どうやら傑作らしいんですよ。
黒木 ハーモニー・コリン監督ですよね。いいですね。
柄本 あとは、漫画『亜人』が17巻で完結しましたよね。
黒木 ああ、まだ読んでないんですよ……。
柄本 俺も12巻くらいで一回止めて、完結したら一気に読もうと思って待っていたから、楽しみにしています。
2021.09.09(木)
文=SYO
写真=榎本麻美
スタイリスト=申谷弘美(黒木) 、林道雄(柄本)
ヘアメイク=新井克英(黒木)、星野加奈子(柄本)