「初めて、来年のスケジュールがノープランなんです」

――この先、アーティスト活動を休止することで、今までにない自由な時間ができると思うんですが、その時間をどんなふうに使おうと考えていますか? 今後のビジョンは?

 それが……今はまだ特にビジョンはないんです。仕事上では常に、「ファンのみんなと楽しみたい」っていう思いがあったけれど、今まではアーティストとしてしか表現できなかったものを、これからは自分の言葉だったり、何か違った形で、またみんなにメッセージを届けられたらいいなと思ってはいます。

 とにかく!!! 今までは、2年先までスケジュールが決まっていたので。初めて、来年のスケジュールがノープランなんです(笑)。今はそれを楽しもうかな。仕事があったら、日本に帰ってきて、拠点はLAに置いて。肩に力が入っていない感じの生き方をしたいなっていう気持ちはあります。

 カナダも一回住んでみたいし。(目をキラキラ輝かせながら)拠点を三箇所ぐらいにして転々とするとか! ……とにかく今は、住みたいところに住もうと思っていて。

――アーティスト活動休止前のインタビューなのに、前に進むための決断なんだなってことがビシバシ伝わります。お話を伺っていると、すごく前向きで楽しそう。こっちまでワクワクします。

 うん、「楽しそう」ってみんなから言われる(笑)。僕、基本はポジティヴに生きていたいし、1分でも無駄にせず楽しみたいタイプなので。明確なビジョンを掲げるよりも、まずは今できることを最大限に楽しみたい。

 それに、僕は、何か1つを突き詰めるような職人タイプではないんですよ。芸能界には、職人タイプが大勢いるけれど、僕は、いろんなものをちょいちょいって、そのいいところだけ取っていきたいタイプ(笑)。それも全部が100点じゃなくてもいいんです。

 5つの分野でそれぞれ20点しか取れなくても、全部足したら100点になるじゃないですか。そういう突き詰め方もアリかなって。うちの母親も、「100点とりなさい」と言う親ではなくて、「自分の好きなことをやったら」というタイプだったので、それでこうなったのかもしれない(笑)。

2021.08.10(火)
文=菊地陽子
撮影=榎本麻美
ヘア&メイク=佐藤真希
スタイリスト=後藤泰治 (smb International.)