未来が輝きすぎて、前が見えない
――そして、ヒロインに恋するフレディ役を演じられるミュージカル『マイ・フェア・レディ』。富裕階級の役をコミカルに演じるにあたっての役作りは？
フレッシュな役なんですが、それをどう表現するかで、フレディ像が変わると思うんです。だから、僕が出てくるシーンで雰囲気がガラッと変わるような、いいスパイスにならなきゃいけないと思うんですよ。
――今までのダブル、トリプルキャストでなく、全日程を平方さん一人で演じられることについての意気込みは？
やっぱりうれしいですよ！(笑) これまでは、ほかの俳優さんの芝居を見ることで、いろいろ勉強しながらも、自分がどう見えているか、考えてきました。でも、一人の場合、客観的にすべてを見ないといけないし、すべての公演の舞台に立つのが最低条件だと思うので、体調管理もしっかりしようと思います。でも、フレディは全部俺なので、その独り占め感はハンパないですよ！ あと、これまでの3作は最終的には死んでしまう役だったんですが、今度は間違っても死なない役ですから！ それもうれしいですね。
――今後はどんな俳優になりたいと思いますか？
自分がどんな俳優になるのか分からないから、楽しいと思うんですよ。今だから言えるのかも知れないんですけど、やればやるほど、未来が輝きすぎて、前が見えないんですよ。楽しいと思ってやっていたって、辛いと思ってやっていたって、辛いことはやってくるわけだから、それが見えないぐらいの気持ちでいたいですね。みんなに平方元基は素晴らしいと思ってもらうより、「元基くん、元気だね」という方が一人でも多くいてくれたらいいですね。
2013.05.03(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Tadashi Hosoda
