フッ切った気持ちが自身を変えた「戦国鍋TV」
――その翌年には、歴史バラエティ番組「戦国鍋TV なんとなく歴史が学べる映像」がスタート。なかでも、“豊臣秀吉プロデュースによる7人組男性アイドルグループ”というパロディ「SHICHIHON槍」で、加藤清正を演じて注目されますよね？
最初の打ち合わせに行ったとき、事務所は僕をどうしたいのか？ と思ったぐらいなんですよ(笑)。ピンクの衣装が並べられていて、「今からこれに着替えて踊ってください」と言われたら、普通困りますよね。でも、それで「これが最後の仕事になるのかも？」って思ったら、「楽しんじゃえ」と気持ちを切り替えることができたんです。そのうち、7人のチームワークが生まれていくと同時に視聴者の反響が出てきたときにはうれしかったですね。
――今でも、「鍋」のときからのファンの方は多いですよね？
「鍋」を見てファンになってくださった方が多いです。そういう方から「元基くんがミュージカルに出たことで、知らなかった世界を知ることができました！ 有難う!!」というような話を聞くと、あのとき文句を言わず、やっていて良かったなと思います。バラエティ番組の現場になかなか馴染めなかったんですが、笑いを求める視聴者の方がいたり、需要があることもだんだん分かってきた。些細なことを打ち破ってみれば、何てことなかったんですけどね(笑)。
――ということは、かなり「鍋」の現場は勉強になったのでは？
僕はありのままでいていいんじゃないか、と思うようになりましたね。取り繕うと、それはいつか破綻すると思うし、特にファンの方にお会いするときには、できるだけありのままの僕でいるようにしていますね。
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2013.05.03(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Tadashi Hosoda
