おうち時間を豊かにする3冊
A『観察の練習』菅 俊一
人間の知覚能力に基づく表現を研究する著者による一冊。日頃から無意識にしている行動や、気にも留めない小さな違和感を収集し、研究した「観察」の記録。
「アイデアはこんなにも目の前の日常に潜んでいる、見方ひとつで世界は変わるのだと、目から鱗が落ちること間違いなしの本です」(黒田さん)。1,600円/NUMABOOKS
B『See You Tomorrow』 宮崎信恵(STOMACHACHE.)
人気イラストレーターによる絵本。毎日の何気ないシーンを、多様な表現を取り入れながら生き生きと描き、まるで叙情詩のよう。
「落ち込んだり、悩んだり、立ち直ったりしながらの日々がとてもかけがえのないことだと思わされます。本を閉じた後『また明日』とポジティブな気持ちになれます」(黒田さん)。2,500円/ELVIS PRESS
C『TTP』 富安隼久
作家自身が住んでいたドイツの学生寮。窓から見える公園に置かれた卓球台を定点観測的に撮影した写真集。
「ミーティングをする人、日光浴する人、よじ登って遊ぶ子どもなど、ページをめくるたびに卓球台が異なる表情を見せます。部屋で過ごす時間が長い今、窓からの眺めを楽しむのもいいかもしれません」(黒田さん)。5,550円/MACK
2021.01.19(火)
Text=Kaori Hareyama
Photographs=Wataru Sato,Hirofumi Kamaya