剛力から吾郎への誕生日プレゼントは?

――稲垣さんは12月8日が誕生日でしたが、剛力さんからプレゼントはありましたか?

剛力「ごめんなさい、今年はまだあげられていないんです(笑)」

稲垣「僕が請求しているみたいじゃない(笑)。前回は、ハットをいただきました。僕は、癖っ毛を隠すために帽子を被ることがプライベートでは多いんですけど、それを見てくださっているみたいで。

 黒い服に黒い帽子が多いんですけど、剛力さんはさりげなくカーキ色のハットをプレゼントしてくれて。普通なら黒を選ぶのに、すごく考えてくださっている」

 最後には年末らしい「今年1年を漢字一文字で振り返ると?」という質問が飛び出した。これに対し、稲垣は「それは考えていなかった。今年はちょっとマイナスな報道が多かったですが、嬉しいニュースと言えば、一緒に頑張ってた森くんが優勝したのはすごく嬉しかったですから」と前置きして、「森!」と力強く宣言。

 言い切った後に「大丈夫ですか?ふざけてるみたい?」と心配そうな表情を見せつつ、SMAP時代の盟友、森且行のSG日本選手権オートレース優勝をユニークな形で祝していた。

 一方、剛力は「ここにいざ立ってみて、歓喜の『喜』とすごく思いました。もちろんそんな喜べるような年ではなかったかもしれないけど、私にとって皆さんとこうして舞台に立てて、皆さんが観に来てくださること、続けられることが表現者としてはすごく嬉しいので。ですから来年への想いも込めて、『喜』かな」と語った。

――最後に観客の方へメッセージを。

稲垣「今年はコロナの中、皆さんいろんな想いで過ごされてきたと思うんですが、この『No.9』はベートーヴェンからの大きな大きな愛のメッセージなので、僕らはエネルギーを持って皆さんにそれをお届けしたい。そして2021年に、皆さんが一歩踏み出すための力になれれば幸いです。千秋楽まで、頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします」

剛力「小さな希望というか、皆さんに光を届けられるように。この舞台の中には愛や音楽、素晴らしいものが詰まっていますので、今年1年を振り返りながらご覧いただけたらと思います」

 2020年はベートーヴェン生誕250周年という記念すべき年であり、聖地であるウィーンのフォルクス劇場での公演も予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で中止になってしまった。

 しかし、稲垣ベートーヴェンとそのカンパニーは、いつかきっとウィーンに“凱旋”するに違いない。その日を心待ちにしつつ、冬の東京でその「歓喜の歌」に酔いしれたい。

木下グループpresents  No.9-不滅の旋律-

ナポレオンの登場で劇的に変化した、1800年のウィーン。ベートーヴェンは作曲家として致命的な聴覚障害の深刻化という状況に追い込まれていた。さらに身分差から恋人が去り、亡き父の幻影に悩まされる中、ピアノ工房の娘マリアと出会う。


公演日程 2020年12月13日(日)~2021年1月7日(木)
会場 TBS赤坂ACTシアター

出演
稲垣吾郎 / 剛力彩芽 
片桐 仁 村川絵梨 前山剛久
岡田義徳 深水元基 橋本 淳 広澤 草 小川ゲン 野坂 弘 柴崎楓雅
奥貫 薫 羽場裕一 長谷川初範
演出:白井 晃
脚本:中島かずき(劇団☆新感線)
音楽監督:三宅 純

問合せ:キョードー東京 0570-550-799

https://www.No9-stage.com

石津文子 (いしづあやこ)

a.k.a. マダムアヤコ。映画評論家。足立区出身。洋画配給会社に勤務後、ニューヨーク大学で映画製作を学ぶ。映画と旅と食を愛し、各地の映画祭を追いかける日々。執筆以外にトークショーや番組出演も。好きな監督は、クリント・イーストウッド、ジョニー・トー、ホン・サンス、ウェス・アンダーソンら。趣味は俳句。長嶋有さん主催の俳句同人「傍点」メンバー。俳号は栗人(クリント)。「もっと笑いを!」がモットー。片岡仁左衛門と新しい地図を好む。

2020.12.19(土)
文・写真=石津文子
写真=田中亜紀