役者をやるようになって気づいたことがたくさん

 逆境にあっても、問題に正面から向き合う、強い岡田さん。『望み』についてのコメントの中でも「人は孤独でしかない」と語っている。21歳の青年がそれを実感しているなんて驚きだ。

 「そう考えるようになったのは、お芝居を始めてから、最近のことです。『野球をやっていたころはそんなこと考えなかったぞ(笑)』というような経験をたくさんさせていただくので、役者って本当に面白いなと思います。

 人は皆、孤独。僕が抱えている悩みは誰にもわかってもらえない。

 でも、だからこそ、話して通じ合うこと、笑い合うこと、触れ合うことに喜びを感じられるんだと思います」

 いろいろな人がいて、様々な思いを抱え行動している。よかれと思った行動が相手を傷つけることもある。

 母の優しい言葉に、かえって規士がみじめな思いをしてしまったように。

 「役者になってから、これまでのできごとも、いろいろ思い返しています。あの時の、先生や家族や友達、近所のおっちゃん……。あの言葉はこういうことだったのかな? とか。

 客観的に捉えて分析することができるようになったんだと思います」

 そうして、人間の内面、物語やセリフの裏に交錯するそれぞれの気持ちを想像する作業が楽しくてたまらないといった様子。

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岡田健史(おかだけんし)

1999年、福岡県生まれ。2018年ドラマ「中学聖日記」(TBS)にて俳優デビュー。主な出演作に「大江戸もののけ物語」(NHK BS プレミアム)、「いとしのニーナ」(FOD/フジテレビ)、「MIU404」(TBS)など。映画『ドクター・デスの遺産 -BLACK FILE-』『新解釈・三國志』が年内公開。

映画『望み』

建築家の父が建てた自慢の家で、幸せに暮らしていた4人家族。外泊の増えていた高校生の規士(岡田健史)は、ある日家に戻らなくなった。同級生の殺人事件の関与を疑われ、一家の生活は一転する。雫井脩介の小説を堤幸彦が映画化。10月9日全国公開。
https://nozomi-movie.jp/

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2020.10.17(土)
文=黒瀬朋子
撮影=南阿沙美
スタイリスト=髙橋ラムダ(白山事務所)
ヘアメイク=KOHEY

CREA 2020年11・12月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

きれいな人がしてること。

CREA 2020年11・12月合併号

揺らがない自分でいるための習慣&コスメ
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様々な業界で活躍する人たちの人生を支えてきた習慣とは? 大切にしている美の価値観とは? 時に悩みながらも、美容を通して“自分らしさ”に真摯に向き合ってきた“あの人”に取材。そこから見えてきたのは、揺らがない自分でいるための美容でした。