エッセイを書くことで 一人が寂しいことに気づけた
千葉さんはSNSについて、「みんなが発信手段を持っていると、変えられないことを変えられたりできるから素敵なことだと思う」と前置きしながら、「だけど僕自身は、SNSで、ある種の秘め事や信条を発信することに、怖さも感じます」と言ってこう続けた。
「頭の回転の速い人なら、インタビューを受けながらでも、自分の考えをクリアにして伝えることができると思うんです。でも、僕は、インタビューだと考えを“推敲”できない。頭が追いつかないんです。だから、文章がいい。文章なら、『あ、これ違ったな』とか、推敲できる時間があるので」
今回のエッセイは、このインタビューの前日の夜に書いて、インタビュー当日に推敲したのだそう。
「昨日の夜、書きながら行き詰まった時に、友達に電話して聞いたんです。『今、エッセイ書いてるんだけど、俺ってどう?(笑)』みたいな。そしたら、エッセイに書いたエピソードが出てきた。助かりました。
あと、これを書いたことで気づけたこともあります。最近まで『自分は一人で生きていける』って思うようになっていたけど、結局一人は寂しいし、人といるのが好きなんだな、って」
映画の作り手たちは、天候などが味方して奇跡的な映像が撮れた時のことを、「映画の神様が降りてきた」と表現する。
この夜、彼の元にもエッセイの神様が降りてきたのかもしれない。そう感じさせるほど、「スマホはまだ捨てない」には、粋なオチがついている。
千葉さんのエッセイ「スマホはまだ捨てない」はCREA9・10月合併号に掲載中です!
千葉雄大(ちば ゆうだい)
1989年3月9日生まれ、宮城県出身。2009年「天装戦隊ゴセイジャー」のオーディションに合格し俳優デビュー。現在放送中のドラマ「40万キロかなたの恋」(テレビ東京系・毎週金曜深夜24時12分スタート)に宇宙飛行士の高村宗一役で出演中。出演映画『子供はわかってあげない』は近日公開予定。
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2020.08.06(木)
文=菊地陽子
撮影=桑島智輝
スタイリスト=寒河江 健
ヘアメイク=堤 紗也香