ドライでもクールでもなく、スーパーフラット。“ヌクメン”千葉雄大は「普通」の尊さを知る、しなやかな男でした。
力まず腐らず淡々と。やるからには楽しんで
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『黒崎くんの言いなりになんてならない』『モヒカン故郷に帰る』『殿、利息でござる!』と、今年は出演映画が目白押し。最新作『全員、片想い』では、頑ななヒロイン(清水富美加)の心を、穏やかな暮らしの中で優しくほどいていく従兄弟役を好演。その自然な癒し具合はさすがはヌクメン。説得力満載だった。
「ありがとうございます。でも、ヌクメンって言葉、認知されてます? 『草食系』ほどは広まってないですよね(笑)」
女性を温かく癒す男性=ヌクメン。代表格と言われている千葉さんだが、本人はそんな評価に対して「へえーって感じです」といたって冷静。
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学生時代、雑誌の読者モデルに誘われたのをきっかけにこの世界へ。俳優デビューをしてから6年目。出演作ごとに役の幅を広げ、まさに大活躍である。
「そんなに持ち上げてくださらなくていいですよ。年末に『ネクストブレイクの俳優』と言っていただくこともあるのですが、翌年もその枠に入っていたり(笑)。仕事のスタンスは変わりませんが、もうちょっとこうしたいという欲が出てきたり、演技の選択肢は少し増えた気がしますね」
2016.08.29(月)
Text=Tomoko Kurose
Photographs=Tetsuo Kashiwada
styling=Miyuki Sawada
Hair & Make-up=Naoki Hirayama
CREA 2016年9月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。