vol.19 DIOR(ディオール)
リング
「テト ドゥ モール」
スカルというと、ロックやパンクといったイメージを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか? メッセージ性の強いモチーフゆえ、スカーフなどの小物で取り入れるならまだしも、高額なジュエリーでとなると尻込みしてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、こういうインパクトのあるジュエリーほど、着ける女性の個性とぴったりはまると、本当に格好いい。まさに、自分を語る唯一無二の存在になってくれるのです。
スカルのジュエリーは、シルバーを使ったハードなデザインが多い中、この「テト ドゥ モール」のリングは、綺麗な色石とダイヤモンドを使っていて、実にフェミニン。このリングを見た時、「やっと、大人の女性がつけたいと思えるスカルに出合えた」と感激しました。
ディオールらしい優雅さと、ユニークな可愛らしさを引き立てる服として私が選んだのは、端正な白シャツです。メイクもクリーンに仕上げ、凜として人生をしなやかに歩む大人の女性をイメージしました。
年齢を重ね、スタイルに迷わなくなってきたら、自分らしさの証として、こんなスカルのリングを。きっとこの先、リングをするたびに自分らしく在ることへの自信を授けてくれると思います。
「『スカル=革のライダース』というように決めつけず、まずは自分が好きな女性像をイメージして、そこに引き寄せるようにスタイリングするのがポイント」と伊藤さん。
「個性的なモチーフのジュエリーほど、洋服は従来のイメージとは反対のものを合わせたほうが洗練されて見えると思います」
伊藤美佐季(いとう みさき)
ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。つける人の個性を活かしたスタイリングは、女性誌のほか多くの女優からも支持が厚い。ジュエリーに関する講演などでも活躍。
Column
伊藤美佐季のSource of yourself
ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。
2019.01.02(水)
Styling=Misaki Ito
Photographs=Masami Naruo(SEPT)
Make-up=Tomohiro Muramatsu(sekikawa office)
Hair=shuco(3rd)
Text=Miwako Yuzawa