vol.16 TIFFANY & CO.(ティファニー)
リング「ティファニー ペーパーフラワー」

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右:ジュエリーは左と同様。トップス 19,000円、スカート 28,000円/JEAN_NERET(ショールーム セッション)
ジュエリーの中では、定番とも言えるフラワーモチーフ。どのブランドにも必ずと言っていいほど、フラワーモチーフのジュエリーがありますが、デザインによってエレガントなのか、凜としているのか、モダンなのか、テイストはさまざまです。
ティファニーの新作「ペーパーフラワー」は、新しいチーフ・アーティスティック・オフィサーであるリード・クラッコフの描く、モダンな花が印象的。紙を切り抜いてピン打ちしたという架空の花をモチーフにしたリングからは、繊細でありながら、NYらしいエナジーと芯の強さが感じられます。ダイヤモンドのオーソリティであるティファニーらしく、最高のクオリティのダイヤモンドを使い、高度な職人技で仕上げたリングは、ジュエリーらしい正統感が漂い、経験値を積んだ大人の女性がさりげなくつけるのにぴったり。シャープな仕事服のアクセントにするのも素敵ですが、私はあえてニットでカジュアルにスタイリングしてみました。フラワーという永遠のモチーフだからこそ、「自分ならどうつけるか」にこだわることがとても大事。ただ可愛いだけじゃない、成熟した可憐さを表現するために、あえて小指につけてみたのもそのためです。ジュエリーは、個性を表現するものだからこそ、どうつけるのかまでこだわることで、その人らしさが浮かび上がってくると思います。
薬指につけたリングは一筆書きのようなオープンワーク、小指につけたリングは、大小のダイヤモンドがランダムに輝く複雑な光が印象的。厚みのないデザインが軽やかな雰囲気を醸す。
伊藤美佐季(いとう みさき)
ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。つける人の個性を活かしたスタイリングは、女性誌のほか多くの女優からも支持が厚い。ジュエリーに関する講演などでも活躍。
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Column
伊藤美佐季のSource of yourself
ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。
2018.09.16(日)
Styling=Misaki Ito
Photographs=Masami Naruo(SEPT)
Make-up=Nobuko Maekawa(Perle Management)
Hair=Nori Takabayashi(YARD)
Text=Miwako Yuzawa
CREA 2018年10月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。