『モンテ・クリスト伯』の舞台の島
ローマ・ビザンチン様式の壮麗な聖堂の見晴らし台にたたずむと、360度のパノラマビューが広がります。
海に向かって左から、真っ白な石灰岩の乾いた岩山がそびえ、正面の紺碧の地中海には小説『モンテ・クリスト伯』で描かれたイフ島が浮かんでいます。
さらに視線を移動させると、旧港の入口の両端それぞれに聖ジャン要塞と聖ニコラ要塞が構え、成長目覚ましいウォーターフロントの再開発エリアが広がっています。そして、内陸はオレンジ色の瓦屋根の家並みでびっしりと埋まっています。
ちなみに、小説『モンテ・クリスト伯』の舞台となったイフ島は、16世紀に建設された要塞が、のちに政治犯や伝染病の患者を収監する牢獄として使われた場所。
小説では主人公が無実の罪で投獄されましたが、それはあくまで架空のストーリー。けれど、主人公の“エドモン・ダンテスの牢獄”という独房まであり、彼を実在すると信じている人も。
2018.10.27(土)
文・撮影=古関千恵子